ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■獄に咲く花、RAILWAYS、ローラーガールズD、ドン・ジョヴァンニ、ウルフマン、クロッシング、ニンジャアサシン、Gフォース(追記)
「デハニ50形」電車の走行風景も登場する実写の作品となっ
ているものだ。
しかも阿倍プロデューサー本人が相当の鉄道マニアらしく、
本作では車体の構造からブレーキ音にまで拘わった撮影との
こと。他にも京王線を引退した2100系、5000系、南海高山線
を引退した3000系など、各地の鉄道を引退して畑電で余生を
送る電車たちが登場する。
物語自体は、実話に基づくと言ったようなものではなさそう
だが、実際に東京の京王電鉄で行われる研修の模様や、運転
中にいかにもありそうなエピソードで綴られ、全体が心暖ま
る作品に仕上がっていた。

『ローラーガールズ・ダイアリー』“Whip It”
女優ドリュー・バリモアによる初監督作品で、『JUNO』
のエレン・ペイジ主演によるローラーゲームにかける少女を
描いた青春ドラマ。
ローラーゲーム(Roller Derby)というと、日本でも1970年
前後にはテレビ中継やハワイに東京ボンバースなる日系人の
チームが結成されるなどブームとなり、『カンサスシティの
爆弾娘』というラクウェル・ウェルチ主演の映画も公開され
たものだ。
というローラーゲームのブームが、最近テキサスで再燃して
いるとのことで、そんな状況を踏まえての本作では、2007年
に“Taking 5”という作品のあるショーナ・クロスという脚
本家が原作小説“Derby Girl”と脚本も手掛けている。
物語は、テキサスの田舎町に住む女子高生が主人公。彼女の
母親は美人コンテストこそが女性が幸せをつかむチャンスと
信じており、自らは郵便配達をしながら、主人公とその妹を
コンテストに出し続けている。しかし主人公はそんな生活に
疑問を感じていた。
そんなある日、自分の失敗からコンテストに落選した主人公
は、落ち込む中でローラーゲームのチラシを目にする。そし
てバイト仲間の女性と観戦に行った彼女は、そこで選手募集
のチラシを受け取り、両親には内緒にまま年齢を偽って応募
してみると…
小柄だがスピードのあるスケーティングのできる彼女は見事
合格。さらに試合にも出て得点を挙げ、弱小チームを勝利に
導いて…というもの。後は、親友との確執や試合上でのライ
ヴァル、両親の問題、恋人の出現などなど、大体予想通りの
お話が進んで行く。
内容的には、挫折あり、幸運ありの正に青春ドラマで、それ
がいつも前向きなペイジの演技スタイルにもマッチしている
という感じの作品だ。それ以上は可もなし不可もなしという
感じだが、ローラーゲームを楽しんだ世代には懐かしさもあ
って心地良かった。
共演は、母親役にマーシャ・ゲイ・ハーディン。チームメイ
ト役にはSNL出身のクリスティン・ウィグを始め、スタン
トパースンのゾーイ・ベル、歌手のイヴ、バリモア監督、ラ
イヴァル役にジュリエット・ルイスなど正に女性だらけの作
品になっている。
ただローラーゲームの試合の模様では、最近のゲームにはイ
ンラインも使われているという話だが、映画に登場するのは
4つ輪の靴で、作戦もWレッグウィップなど40年前に観てい
た頃から進歩もなく。これではなかなかブームも長続きしそ
うもないと感じた。
でもまあそれが懐かしくもあって、映画ではそれで良い感じ
ではあったものだ。

『ドン・ジョヴァンニ』“Io,Don Giovanni”
35歳で永眠したヴォルフガング・アマデウス・モーツアルト
が31歳の時に発表した歌劇の成立までを、その台本を執筆し
た劇作家のロレンツォ・ダ・ポンテを中心に描いた作品。
ユダヤ人で頭の良いダ・ポンテ(幼名エマヌエーレ・コネリ
ャーノ)は、少年期にキリスト教への改宗を迫られ一度は拒
否する。しかし教会に所蔵された書籍に魅せられて改宗。や
がて聖職者となるが、自由と芸術を愛し放蕩の末にヴェネチ
アから追放される。
その時、旧知のジャコモ・カサノヴァの勧めもあってウィー
ンに赴いたダ・ポンテは、紹介状を持って作曲家アントニオ
・サリエリ訪ねるが、その途上でモーツアルトと出会い、イ
タリア語のオペラを構想していたモーツアルトと「フィガロ

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02月21日(日)
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