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On the Production
by 井口健二
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■ハート・ロッカー、隣の家の少女+製作ニュース
す作品とも言っているそうだ。
確かに作家が子供時代を回想するというプロローグなど、映
画の構成には似たところも多いが、本作に描かれる内容は正
にアメリカの暗部とも言える出来事で、その社会的な問題提
起などはキング原作の映画化が及ぶべくものではない。
事件の原因が何であったかは明確には語られないが、その結
果では人間の本性の恐ろしさが見事に描き出される。特に恐
れを知らない子供の恐ろしさが、何よりの恐怖感を醸し出す
作品だった。
監督は本作が2作目というグレゴリー・ウィスン。出演者も
無名の俳優が多いが、母親役を演じているブランシェ・ベイ
カーは往年の女優キャロル・ベイカーの娘だそうだ。また現
代の主人公の姿を、『ダイハード1・2』や『ラスト・サム
ライ』にも出演のウィリアム・アザートンが演じている。
* *
今回の製作ニュースの最初は、『マトリックス』『地球が
静止する日』などのキアヌ・リーヴスの情報で、彼が本格的
な宇宙SFに挑戦する計画が発表されている。
作品の題名は“Passenger”(2008年12月にアン・ハサウ
ェイ主演で似た題名の作品を紹介しているが、あれは複数形
だった)。内容は乗客たちが全て冷凍睡眠で移送されている
恒星間宇宙船を舞台に、何故か目的地到着より1世紀近くも
早く、1人だけで目覚めてしまった主人公を巡る物語とのこ
とだ。つまりそれから100年間は誰も起きては来ない訳で、
従ってこの作品では単数形という訳だ。
因にこの脚本は、リドリー・スコットが監督すると噂され
ている“Alien 5”にも関わっているジョナサン・スペイツ
という脚本家が執筆したもので、いろいろな事情で映画化さ
れない優秀な脚本を紹介するHollywood Blacklistの2007年
版に掲載された作品とのこと。
その作品にリーヴスが目を付け、実は昨年前半には2006年
のロバート・デニーロ監督作品『グッド・シェパード』など
を手掛けたモーガン・クリークが製作にゴーサインを出して
もいた。その計画に今回は、さらに監督として2006年ウィル
・スミス主演の『幸せのちから』などを担当したガブリエレ
・ムッチーノの起用が発表されている。
地球を離れた場所で1人だけというのは、前回の映画紹介
で『月に囚われた男』を取り上げたところだが、SFならで
はの孤独や、その他の諸々の状況が描かれそうだ。なお物語
では、どういう状況か不明だが女性のキャラクターも登場す
るそうで、ムッチーノはその配役に、無名かブレイク以前の
無名に近い女優の起用を希望しているそうだ。
順調に進めば今年夏の撮影開始が期待できるとのことだ。
* *
お次は、現在はディズニー傘下にあるマペッツ(ジム・ヘ
ンスン・カンパニー)の新作映画の情報で、その計画に人気
テレビシリーズ“The Flight of the Conchords”を手掛け
るクリエーター/脚本家/監督ジェームズ・ボーリンの参加
が噂されている。
この情報で、新作映画の題名は紹介されていなかったが、
元々はコメディ作家/俳優のジェイスン・シーゲルとニック
・ストールの脚本から、ストールの監督で進められているも
のとのこと。そして今回のボーリンの参加はそれに命を吹き
込むためというものだが…。この計画、もしかしたら2008年
3月15日付の第155回で紹介した“Dracula”のミュージカル
版の可能性がありそうだ。
この作品は、2008年11月に紹介した『寝取られ男のラブ♂
バカンス』の劇中劇として演じられた人形劇を原案とするも
ので、映画ではシーゲル演じる主人公が、最後の決断として
完成させるものだった。因にその場面では、元々のマペッツ
のキャラクターであるカウント伯爵が主人公となっており、
しかも劇中劇では、伯爵が自分が人間でないことを嘆くよう
なシーンが演じられていたものだ。
という劇中劇がマペッツ側の気に入られ、その長編化を検
討するというのが以前の情報だったが、それがひょっとして
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02月01日(月)
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