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On the Production
by 井口健二
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■第181回
も予定されている“Hungry City Chronicles”と題されたシ
リーズの第1巻となっている。
因にこの作品は、2006年に創元SF文庫から『移動都市』
の邦題で翻訳出版され、2007年に横浜で開催された世界SF
大会/日本SF大会(併催)にて星雲賞海外部門を受賞して
いるもので、その内容紹介によると、物語の背景は最終戦争
後の世界。大都市は移動しながら小都市を貪るという「都市
自然淘汰主義」に則り、移動しながら互いを狩ったり狩られ
たりという闘争を繰り広げている。そんな時代を背景に、移
動都市ロンドンに暮らす少年の成長を軸にした冒険物語が展
開されるようだ。
つまり映画化では都市が移動するという状況が描かれるこ
とになる訳で、これは『LOTR』を手掛けたVFX工房の
ウェタ・ディジタルには腕の見せ所という感じの作品になり
そうだ。
ただし、本作の映画化に関してはジャクスン本人が監督す
るか否かは未定。またジャクスンは、今年夏に撮影開始予定
の“The Hobbit”については、監督はギレルモ・デル=トロ
に任せるものの、その脚本にはジャクスンも参加しており、
その原作を脚色する“Part 1”の脚本は完成しているが後続
となる“2”の脚本は未完成とのことで、現在は新作のプロ
モーションで世界中を飛び回っている状態では、上記のサー
の称号の授与式典への出席も含めて、ジャクスンのスケジュ
ールは満杯。つまり、ジャクスンが監督するしないに関らず
今回報道された作品の実現はまだ先のことになりそうだ。
* *
ニュースはもう1つ。
いよいよ年明けからの本格的な製作開始が予定されている
ディズニー/ピクサー製作による“John Carter of Mars”
に関連して、火星の教皇マタイ・シャン役で出演の予定され
ている俳優マーク・ストロングが、撮影について語っている
記事が報告された。
その記事によると、いくつかのシーンの撮影はアメリカの
ユタ州でも行われるが、彼自身の出演シーンの殆どはロンド
ン郊外のスタジオで行われるとのことだ。そのスタジオには
360度の全ての角度にカメラが配置されていて、それにより
俳優の全身が撮影される。そしてその俳優の全身に火星人の
容姿が被せられるもので、俳優自身の才能でキャラクターに
いろいろな要素を付け加えることができる…としている。
つまりこれは、『Disney'sクリスマス・キャロル』で使わ
れたのと同様のパフォーマンス・キャプチャーが行われるこ
とになるようだが、同作品を手掛けたロバート・ゼメキスは
今回の製作には参加していないもので、陰での協力が有るの
かどうかは判らないが、取り敢えずは独自の技術として実施
されることになるようだ。
因にディズニーでは、『POTC』でビル・ナイが演じた
デイヴィ・ジョーンズの表情のモーション・キャプチャーを
俳優本人が行っていたが、それに似た技術はすでに持ってい
るということなのだろう。ただし、今回紹介した記事の中で
ストロング自身は「これはモーション・キャプチャーではな
い」と発言しているものだ。なおストロングは、2008年10月
紹介の『ワールド・オブ・ライズ』の他、日本では3月公開
予定の『シャーロック・ホームズ』にもホームズの敵役とし
て出演しているとのことだ。
その他の配役は、ジョン・カーター役に2006年9月紹介の
『スネーク・フライト』に出ていたというテイラー・キッシ
ュ。デジャー・ソリス役に2006年7月紹介の『イルマーレ』
に出演していたリン・コリンズ。因にこの2人は昨年公開さ
れた『ウルヴァリン』で共演していたようだ。
また、緑の巨人タルス・タルカス役に『スパイダーマン』
などのウィレム・デフォー、緑色人のソラ役に『マイノリテ
ィ・リポート』などのサマンサ・モートン、緑色人の皇帝タ
ル・ハジェス役に『スパイダーマン3』などのトーマス・ヘ
イデン・チャーチ。
さらに、赤色人のカントス・カン役にロバート・E・ハワ
ード原作による2009年製作の“Solomon Kane”でケイン役を
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01月03日(日)
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