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On the Production
by 井口健二
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■すべて彼女の…、処刑山、海の金魚、やさしい嘘と贈り物、フローズンR、パーフェクトG、パラノーマルA、シェルター、サロゲート(追)
が、ここでのゾンビの倒し方がいろいろ凝っていて、それは
アメリカの若年向けテレビ局が選ぶ映画賞で、『スペル』や
『ソウ5』と並び、ホラー作品賞、切断賞、死闘賞などの候
補にもなったとのことだ。
因に、ノルウェー語の原題は英語では“Dead Snow”になる
ものだが、製作者は当初“Red Snow”に相当するノルウェー
語の題名を付けたかったのだとか。しかしその題名は別の作
品で使われていたために変更したとのことだが、そのセンス
も良い感じだ。
スタッフ・キャストには馴染みが無いが、脚本・監督のトミ
ー・ウィルコラは、『キル・ビル』のパロディなどで頭角を
現した若手とのこと、共同脚本のスティッグ・フロード・ヘ
ンリクセンの名前と共に注目しておきたい。
『海の金魚』
2008年2月に紹介した『チェスト!』の雑賀俊郎監督による
鹿児島3部作の第2弾。
鹿児島錦江湾で毎年行われる鹿児島カップ火山めぐりヨット
レースを題材にした青春ドラマ。
主人公は、地元の高校に転校してきた少女と、漁港に係留さ
れているヨットで1人暮らしている少女。転校生の少女は父
親の血を引く天才ヨット乗りらしいが、その孤高な態度は級
友を寄せ付けない。
一方、1人暮らしの少女には漁民たちから立ち退きの要求が
出ているが、意に解さない態度を取っている。そして授業の
進捗を伝えにくる級友や、漁民の嫌がらせを止めに入る若者
もいてくれる。
その内の授業内容を伝えに来ている級友が転校生の少女にも
声を掛け、4人のグループが作られて行く。さらにその周囲
には、水族館で獣医を務める女性ヨット乗りや転校生に反発
する男子生徒などもいて、物語が展開される。
そして、ヨットに1人暮らしなのに自分では操船できない少
女を中心に、転校生を仲間に入れようとする行動や、海に出
たまま行方不明になった父親が残した宝(?)の地図への思
いなど、いろいろな物語が所狭しと盛り込まれている。
『チェスト!』の時は主人公が小学生だったから苛めなどの
多少暗いエピソードもあったが、主人公が高校生となるとそ
んな話題も発生せず、全体としてすっきりした物語に仕上が
っている。漁民の嫌がらせにしても取り敢えずは大人同士の
話のものだ。
そんな中で、ヨットレースでの勝負をクライマックスに置い
て、主人公たちの成長が適切な展開で描かれていた。その間
の葛藤もそれなりに上手く描かれていたように思える。
出演は、2008年6月紹介『愛流通センター』に出演していた
入来茉里と、モデル出身の田中あさみ。他に賀来賢人、白石
隼也、柄本時生。さらに今年9月に紹介した『白夜』の吉瀬
美智子、高嶋政宏、芳本美代子、小島よしお、4月紹介『海
の上の君は、いつも笑顔』の麻宮美果らが脇を固めている。
『やさしい嘘と贈り物』“Lovely, Still”
1994年『エド・ウッド』でオスカー受賞のマーティン・ラン
ドーと、1974年『アリスの恋』で受賞エレン・バースティン
の共演によるラヴストーリー。
主人公はかなり高齢の男性。近所のスーパーマーケットに勤
めてはいるようだが、仕事は座ってスケッチを描いているだ
け、でも高齢者故か他の従業員も文句は言わないようだ。そ
んな男性はクリスマスを控えた夜、自分宛のプレゼントに何
かを包んでいる。
その男性は、毎夜もやもやした得体の知れない悪夢に悩まさ
れており、寝起きは芳しくないようだ。しかしそれでも毎日
通勤し、勤務先では若い経営者ともフランクに話し合えるな
ど尊敬を持って迎えられている。
そんなある日、男性の家の近所に若い女性と2人暮らしの高
齢の女性が引っ越してくる。その女性との出会いは、最初は
ちょっとぎくしゃくしたが、女性の積極的な態度もあってす
ぐに打ち解けるようになる。しかも彼女からデートを申し込
まれて…
こうして高齢者同士の交際が始まるが、これにはスーパーマ
ーケットの経営者や他の従業員たちも協力して、いろいろな
デートの心得が教え込まれる。さらに経営者は行き付けのレ
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12月27日(日)
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