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On the Production
by 井口健二
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■プリンセスと魔法のキス、COACH、マザー・テレサ、ランニング・オン・エンプティ、アンダンテ、半月、フィリップ、ハンナ・モンタナ+他
事なエッジ痕を描いてみせるシーンが登場するのだ。コンパ
ルソリーは正にスケートの技術を競うもので、選手が氷上に
描いたエッジ痕を審査員が定規で計ってポイントを付けるよ
うなものだった。
それは昔のオリンピック中継などを観ていたときには、競技
の後で審査員が防寒具と滑り止めのブーツを履いて定規を持
ってのこのこと登場し、その姿の滑稽さと、審査が終わるま
での間怠っこしさで当時は飽き飽きしたのだったが、今にし
てみるとあれこそがスポーツ競技だったのではないかとも思
えてくる。
そんなノスタルジーも感じさせてくれる作品。まあ、クライ
マックスシーンなどはご愛嬌ということで、それ以外の部分
を楽しみたい。
西田以外の出演者は、鬼コーチ役の平泉成、他に金子昇、時
東あみ、2006年9月に紹介した『日本心中』の重信メイ、そ
れにオーディションで選ばれたという子役の小松崎夕楠。
また、佐野稔、伊藤みどり、荒川静香、安藤美姫ら新旧スケ
ーターのゲスト出演。さらに吉野沙香、五嶋りさ、和泉佑三
子、森ほさちら宝塚出身女優の共演も観られる。なお主題歌
をつんく♂が担当している。
『すばらしいことを神様のために』
“Something Beautiful for God”
『マザー・テレサと生きる』
マザー・テレサの生誕100周年を記念して『マザー・テレサ
映画祭』と称するドキュメンタリー作品7本の上映が計画さ
れ、その内の2本の試写が行われた。
マザー・テレサ関連のドキュメンタリーでは、2007年7月に
今回の映画祭でも上映される『母なることの由来』と『母な
るひとの言葉』を紹介しているが、それぞれ歴史的な作品と
なっていた。
そして今回試写が行われたのは、1996年にBBCで放送され
た記念碑的な作品と、日本人では初めて映像取材が許可され
たという千葉茂樹監督による生前3回も来日したマザー・テ
レサの日本での活動及びその後に残された影響を描いた作品
となっている。
特に前者のBBC作品では、最初は冷静に、ある意味厳しく
取材していたインタヴュアーが徐々に感化されていく様子が
見事に捉えられていて、それは出色のドキュメンタリーにも
なっていた。
また後者では、東京・山谷のどや街で活動する民間ホスピス
「きぼうのいえ」なども取材されおり、確かこれは山田洋二
監督『おとうと』のモデルにもなった夫妻だと思うが、その
献身的な姿の背景も観えてくるものだ。
その他、マザー・テレサと日本の意外に深い繋がりも本作の
中では克明に描かれていた。それは僕のように名前は聞いた
ことがあっても、その実体は前回紹介した作品を観たときに
初めて知ったような人間には、さらに驚きの事実だったとも
言える。
信仰の強さというよりも、これらの作品に描かれている弱者
への無関心が、自分自身はもとより現代に生きる全ての人間
に突きつけられるような感じの作品だった。特に自己宣伝と
政治運動に奔走しているような「宗教家」に観てもらいたい
作品だ。
なお『映画祭』では、この他に千葉茂樹監督による1979年作
品『マザー・テレサとその世界』、1981年作品『マザー・テ
レサの祈り/命それは愛』と、マザー・テレサが亡くなる前
年に製作されたドイツ作品『マザー・テレサの遺言』が上映
される。
『ランニング・オン・エンプティ』
何をしているんだか、何をしたいんだかも良く判らないよう
な最近の若者の生態を描いた作品。
主人公はバンドをやっているらしい若者。その携帯電話に同
棲相手の女性から誘拐されたという電話が掛かってくる。し
かしそれは狂言で、その同棲相手は別の男性の部屋に転がり
込んでいる。
その後、主人公の携帯電話には金融業者と称する男から「借
金を返さなければ、女を売り飛ばす」という電話も掛かって
くるのだが、男は金作に奔走する訳でもなく、依然としてぐ
だぐだしたままの生活を送っている。
そんな感じの若者たちの日常が綴られて行く。
正直に言ってこの手の作品は何本も観てきた気がするし、そ
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12月20日(日)
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