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On the Production
by 井口健二
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■人間失格、白鳥の湖/チェネレントラ、50歳の恋愛白書、監獄島
の歌手が掛け合いで歌うシーンの迫力は凄まじく、汗も吹き
払いながら歌いまくる姿には、これは大画面の大音響が可能
な劇場のスクリーンで観るしかないとも感じさせた。
因に本作は、舞台面だけを忠実に撮影したもので、舞台裏や
インタヴューなどの挿入もないが、それはそれでちゃんと纏
まりも良く映像化されていたものだ。
“World Classics@Cinema”では、この他にバレーは『オン
ディーヌ』と『くるみ割り人形』、オペラは『椿姫』『愛の
妙薬』『ドン・ジョバンニ』、そして2003年に撮影されたス
ペイン・リセウ大劇場版の『アイーダ』が上映される。
『50歳の恋愛白書』“The Private Life of Pippa Lee”
劇作家アーサー・ミラーの娘で、2005年『プルーフ・オブ・
マイ・ライフ』の脚本を手掛けたことでも知られる女優・脚
本家・監督のレベッカ・ミラーが、2008年に発表した自らの
処女長編小説を脚色・監督した作品。
試写状の解説などを読んで僕が事前に持っていたこの映画の
印象は、貞淑な妻として人生を送ってきた女性が、ある日、
自分が演じてきた理想の妻のイメージを覆し、自らの望む道
に一歩を踏み出す…そんな物語だと思っていた。
しかし実際にスクリーンに登場したのは、そんな生易しい女
性の姿ではなかった。そしてスクリーンには、現在50歳代を
迎えている女性たちが送ってきた人生そのものが描かれ、そ
こにはヒッピーやドラッグなどに翻弄された1960年代、70年
代のアメリカの姿が見事に再現されていた。実はこちらの方
が強烈な印象を残す作品だったのだ。
まあ、映画の宣伝としてラヴストーリーで押すのは常套の手
段だし、確かにこの映画にはそういう一面もない訳ではない
から、それはそれで問題はないと思うところだが。ただ僕の
ように上記の印象で観ると、かなりの衝撃を受けてしまう作
品でもあるものだ。
それは僕自身が主人公に近い年齢の者としては、自分の生き
てきた体験や見聞きしていたことも踏まえて、この物語には
感銘を受ける部分もある訳で、それが観客層として狙いたい
年齢層と合わないであろうことは事実なのだが…難しいとこ
ろだ。
出演は、ロビン・ライト・ペン、キアヌ・リーヴス、アラン
・アーキン、モニカ・ベルッチ、ウィノナ・ライダー、ジュ
リアン・モーア、マリア・ベロ。それに自ら監督でもあるマ
イク・バインダーと、テレビの『ゴシップ・ガール』で人気
のブレイク・ライヴリー。
因に1966年生れのライト・ペンは、1964年生れのリーヴスが
10歳以上年下の恋人という役柄で、これはかなりの老け役を
強いられているものだが、1988年『プリンセス・ブライド・
ストーリー』のお姫様は上手く難役をこなしていた。
それにしても、ライヴリー以外は一番上が1960年生れのモー
ア、下が71年生れのライダーと、見事に同世代の女優が揃っ
た作品で、もう少し上の世代の自分からはこれらの女優の顔
を見るだけでも楽しい作品だった。
『監獄島』“The Condemned”
通算6度のWWE王座に輝いたというアメリカプロレス界の
スーパースター“ストーン・コールド”スティーヴ・オース
ティンが凶悪な死刑囚に扮して、他の9人の死刑囚との闘い
を繰り広げるバトルアクション作品。
世界中の監獄から選抜された凶悪な死刑囚を絶海の孤島に集
め、唯一残った勝者1人には釈放という餌を与えて殺し合い
を演じさせ、その模様をインターネットで生中継。それは究
極の死闘を世界中の観客に提供し、それによって巨万の富が
得られるはずだった。
そのために用意された舞台は、400台のテレビカメラがジャ
ングルや渓谷の水中にも設置された絶海の孤島。そこに10人
の凶悪な殺人鬼を解き放つ。しかも彼らの足首には、30時間
が経過すると爆発する時限爆弾が装着されている。
その30時間以内に他の犯罪者を排除して、バトルの主催者の
許に出頭するのが勝者となる条件だ。そして、世界中の牢獄
から集められた10人の犯罪者が、それそれの足首に時限爆弾
を装着されて島に放たれるが…
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11月29日(日)
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