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On the Production
by 井口健二
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■ビッグ・バグズ・パニック、ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女、ソウ6
その中から真実を探し出す調査を開始するが…なかなか新事
実は発見できない。そんなとき1通のメールが重大なヒント
を提供してきた。
40年掛けて集められて古い資料に、インターネットなどを駆
使して得られる新たな情報が組み合わされて、徐々に事件の
全貌が明らかにされて行く。そしてそれは驚愕の事実を炙り
出して行くのだ。
原作本は日本では上下巻で翻訳されているようだが、映画化
も上映時間2時間33分という堂々たる作品になっている。し
かもこの長尺を全く飽きさせずにぐいぐいと引き付けて行く
のだから。その物語の迫力は尋常ではないものだ。
主人公たちは決してスーパーマンではないけれど、自らの能
力を最大限に発揮してことに当って行く、その小気味よさ。
そして宗教やヨーロッパが未だに癒し切れない歴史上の悲劇
など、いろいろな事実が折り重なって壮大な物語が繰り広げ
られて行く。
出演は、スウェーデンでは人気俳優というマイクル・ニクヴ
ィストと、ほぼ新人女優のノオミ・ラパス。特に肉体改造し
てまで役に挑んだラパスが見事だ。
なお、本作は本国の北欧では今年2月に公開されているが、
続く第2作の“Flickan som lekte med elden”(The Girl
Who Played with Fire)もすでに9月公開されており、さら
に第3作の“Luftslottet som sprangdes”(The Girl Who
Kicked the Hornet's Nest)も11月公開予定になっている。
その第1作の日本公開は正月第2弾の予定だ。
また本作は、クエンティン・タランティーノがリメイクを熱
望しているそうだ。
『ソウ6』“Saw 6”
2004年以来、毎年1作ずつ製作されるソリッド・シチュエー
ション・スリラーが第6作を迎えることになった。
今までも麻薬中毒患者など社会悪とされる存在に、その改心
の道を与えつつ鉄槌を加えてきたジグソウが、今回の矛先を
向けたのは保険会社の審査担当者。加入者に難癖を付けて保
険金の支払いを拒絶する連中がその対象となる。
そしてプロローグから、相手を出し抜き自分の身を文字通り
削ってでも勝ち抜かなければ生きては帰れない。そんな究極
のデスゲームが今回も展開される。
それに加えて本作では、ハリウッドで流行りのトリロジーの
2度目の区切りということもあってか、過去5作品の総集編
的な展開や、ジグソウから未亡人のジルに託された箱の中身
も明らかにされる。
出演は、第1作から登場してきたトビン・ベルとショウニー
・スミス、第3作からのコスタス・マンデラーとベツィ・ラ
ッセル、第5作からのマーク・ロルストンとサマンサ・リモ
ール。そして今回の標的役には、TV『リ・ジェネシス』の
人気者ピータ・アウター・ブリッジが扮している。
脚本は、第4作以降を手掛けてきたパトリック・メルトン、
マーカス・ダンスタンのコンビが今回も担当し、監督には過
去全作の編集を担当してきたケヴィン・グルタートが監督デ
ビュー作として抜擢されている。
この他、撮影のデイヴィッド・A・アームストロング、衣装
のアレックス・カヴァナ、音楽のチャーリー・クロウザーら
が再度結集している。因に、ヘヴィメタ・キーボード奏者の
クローザーは、『ソウ』第1作が映画には初めての直接参加
だったようだが、その後に『バイオハザード3』などを手掛
け、本作でも強烈な音楽を鳴り響かせている。
なお“Saw 7”も、同じくメルトン、ダンスタンの脚本、監
督には『ソウ3』『4』の装置デザインと第2班監督を務め
たデイヴィッド・ハッケルが起用され、来年1月撮影開始、
10月末の公開を目指して製作準備が進んでいるようだ。
(11月23日に掲載しました)
* *
今週は前回にも書いたように東京国際映画祭の開催中で、
原稿を執筆する時間が取れないため、製作ニュースは割愛し
ます。
また『ソウ6』に関してましては、今週行われた試写を観
ましたが、情報の公開が全米公開される11月23日まで規制さ
れていますので、その後に掲載することにさせていただきま
す。
10月18日(日)
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