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On the Production
by 井口健二
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■白夜、ファイナル・デッドサーキット、カールじいさんの空飛ぶ家、戦慄迷宮、アンヴィル、陸軍中野学校、スワップ・スワップ+他
方向性だろう。しかもその被害者の死に様が、手を替え品を
替え、さらにCGIも駆使してえげつなくリアルに映像化さ
れているもので、これもまあ正しいことのようには思える。
因に今回の物語は、オートレースサーキットで観客を巻き込
むクラッシュ事故が発端となるもので、この3Dで描き出さ
れた自動車レースのシーンはかなりの迫力があった。これは
正に物がビュンビュン飛んでくる感覚で、思わずのけぞって
しまうほどのもの。その他にも、特にCGIによる3D映像
にはニヤリとするものが多かった。
とは言うものの、3D映像に目新しいものがあるかというと
それほどでもなくて、この辺はまあ、前回の『クリスマス・
キャロル』の紹介で述べたようなものはちょっとやりすぎに
なるだろうが、何か一工夫が欲しかった感じはした。
なお物語では第1作の事件の新聞記事が主人公たちにヒント
をもたらすなど、一応の繋がりは付けられていた。それにち
ょっとした仕掛けが、第1作から見続けているものには特別
のサーヴィスにもなっていた。こういうことをされると嬉し
くなるのがファン心理だ。
監督は“Final Destination 2”(邦題:デッドコースター)
を手掛けたデイヴィッド・エリス。その後に2004年の『セル
ラー』を生み出したスタントマン出身の監督が、見せるアク
ションを、しかも3Dで堪能させてくれた。
『カールじいさんの空飛ぶ家』“Up”
ディズニー/ピクサーの製作で、今年のカンヌ映画祭のオー
プニングを飾ったアニメーションでは初めての作品。
1人暮しの老人が、1軒家の自宅に大量の風船を括り付け、
家ごと冒険の旅に飛び出す。ところがその旅立ちの時に1人
の少年が家に潜り込んでいて…という冒険物語。ここまでの
展開は予告編で判る範囲だが、出来ればそれ以上の情報は持
たないで観てもらいたいものだ。
従って、これ以上の物語の紹介は控えるが、予想していた以
上に壮大な、愛情に満ちた物語が展開されていた。そしてそ
れは、僕らの年代にもなると自分の人生にも照らせる見事な
物語になっていた。
なお本作は、ピクサー初の3D作品となっているものだが、
僕の観た試写会は2Dでの上映だった。しかしおかげ字幕付
きの原語版。そこでは5度のゴールデングローブと多数のエ
ミー賞に輝くエド・アズナーや、クリストファー・プラマー
の声を聞くことが出来た。
さらに少年役には、ジョーダン・ナガイという9歳の男の子
がオーディションで抜擢されているが、映画データベースの
IMDbに掲載された写真を観ると明らかな日系人。彼は声優と
してすでに“Toy Story 3”への起用も発表されているよう
で、ちょっと楽しみだ。
とは言え3Dの評価が出来ないのは残念だが、物語の後半が
大自然の中になる辺りは3D効果も充分に期待できそうだ。
それと本作には、恐らくこちらも3Dの“Partly Cloudy”
(邦題:晴れときどきくもり)という短編が併映されるが、
雲上の世界を描くこの作品は3D効果も大きそうだった。
先に公開されたディズニー3Dアニメーションの『ボルト』
は、1963年の実写作品“The Incredible Journey”(三匹荒
野を行く)をモティーフにしているように思えたが、その伝
で行くと本作は、ディズニーが1952年にアニメーション化し
た“The Little House”(ちいさなおうち)からインスパイ
アされたのかな。ふとそんなことも考えた。
因に本作は、上記のIMDbの閲覧者が投票する10点評価の平均
点で、2000年以降に公開された作品の第5位にランクインし
ているそうだ。このベスト10には、『LOTR』が3本とも
入っているなど多少偏りもありそうだが、本作はそういう連
中にも好まれているということなのかな?
『戦慄迷宮』
富士急ハイランドにあるギネス登録・世界最大のお化け屋敷
「戦慄迷宮」をテーマ/舞台にした日本初の長編3D作品。
この極めてキワモノ的な作品に、『呪怨』などの清水崇監督
が挑戦した。
廃病院を模した巨大なお化け屋敷の中で殺人事件が起きた。
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09月06日(日)
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