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On the Production
by 井口健二
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■フィースト3、ココ・シャネル、呪怨、ARTISANAL LIFE、未来の食卓、バッド・バイオロジー、ラスト・ブラッド(追記)+製作ニュース
脚本は、ルキノ・ヴィスコンティの協力者だったエンリコ・
メディオーリ。監督は、2003年4月に紹介した『EXエック
ス』などのクリスチャン・ディゲイ。なお監督はカナダ出身
で、基本テレビの人のようだ。
ただ、フランス人を描いた伝記映画で、舞台もフランスの物
語なのに、台詞がほとんど英語というのは気になるもので、
これもテレビ映画でしかもマクレーンの主演では仕方ない面
もあるが、出来たらフランス語の吹き替え版が観たくなった
ところだ。
なお、ココ・シャネルの伝記映画では、フランスでオドレイ
・トトゥ主演による“Coco avant Chanel”という作品も作
られており、こちらはワーナーが製作に参加して、アメリカ
での配給はソニーが担当したようだ。どちらの会社でもいい
から日本公開して欲しい。

『呪怨・白い老女/黒い少女』
清水崇監督原作による恐怖シリーズの新作2本が同時公開さ
れる。今年は1999年に第1作がヴィデオ発売されてから10周
年とのことで、公開には「呪いつづけて、10周年」というキ
ャッチコピーが付けられている。
オリジナルというか前作2003年版の映画作品はテレビでしか
観ていないが、それでもその恐怖体験は見事なものだったと
記憶している。特にその余りの理不尽さは、基本的に怨念は
その加害者のみに向けられると思っていた者にはショックだ
ったものだ。
本作はその続編となるものだが、前作までの男の子の霊に代
って今回は、それぞれが「白い老女」と「黒い少女」の霊と
なっており、多少の目先は変えられている。ただし、舞台は
同じ家であるようだ。
そして、それぞれその家に関わった人間たちが、呪怨(「つ
よい恨みを抱いて死んだモノの呪い。それは、死んだモノが
生前に接していた場所に蓄積され、『業』となる。その呪い
に触れたモノは命を失い、新たな呪いが生まれる」と定義さ
れている)によって狂い、新たな呪いを生み出して行く。
ドラマの構成は、全体的にはそれぞれの霊が呪いを持つに至
る物語を成すものだが、それぞれ主人公も異なるエピソード
がオムニバス的に集合されたもので、そのエピソードごとに
恐怖シーンが設けられている。
この構成はオリジナルから同じものだが、これがこのシリー
ズの特徴にもなっている。そしてそれが恐怖のつるべ打ちの
ような効果を生み出していくものだ。この展開が当時は新鮮
だった。
出演は、「白い老女」が南明奈と鈴木裕樹、「黒い少女」が
加護亜依と瀬戸康史。ただし構成は上記のようにエピソード
の積み上げだから、その他にも、宮川一朗太、勝村政信らい
ろいろな人物が登場している。
なお、同時期に任天堂wiiのゲームも出るようで、会場では
そのデモも行われていたが、リモコンを懐中電灯に見立てて
屋内を探索するゲームはかなり恐そうだった。

『ISAMU KATAYAMA-ARTISANAL LIFE』
皮ジャンデザイナー片山勇の仕事ぶりと生活を追ったドキュ
メンタリー。
一応ドキュメンタリーとしたが、監督・構成の牧野耕一はス
カパラなどのミュージシャン系の作品が多いようで、本作も
そんな感覚で作られているようだ。従って、何かを主張する
目的で製作されているものではなく、映像感覚と音楽が溢れ
た作品になっている。
しかも、被写体と友人でもある監督は撮影しながらやたらを
話をしてしまうし、本来冷静さを求められるドキュメンタリ
ーとは違っているもののようにも感じられる。
そんな訳でいろいろ気になりながら観てしまった作品だが、
エンディングクレジットを観ていたら製作総指揮が片山勇と
なっていた。つまりこの作品は片山本人のPR、若しくはプ
ロモーション目的の作品のようだ。
それならこの作り方も理解するし、多少あざとい感じはする
がそれはそれとして評価すべき作品だろう。特にヴィジュア
ル面には若者受けの要素は多分にあるし、さらに音楽では、
スカパラなどに加え、GLAYがエンディング主題歌を提供する
などこれでサントラ版を出せたら大したものだ。

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05月17日(日)
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