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On the Production
by 井口健二
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■第180回
らなる3部作とのことで、因に、第1作の“Stoneheart”は
イギリスの児童文学賞の候補にも挙げられるなど、相当の評
価を受けているようだ。
 物語は、現代のロンドンに住む12歳の少年を主人公にした
ちょっとだけ違う世界での冒険を描いている。その世界では
石像が命を持ち、少年が起こしたある出来事を切っ掛けに、
彼らが行動を起こし始めたのだ。そんな世界で少年は、協力
者を得ながら石像たちが動き出した原因を探り、その出来事
の裏に潜む謎を解き明かして行くことになる。評論家の評価
は様々なようだが、全体的には内容の新しさとスリリングな
展開の面白さが評価されているようで、さすがに脚本家出身
の作家という感じのものだ。
 そしてこの第1作の映画化権に関しては、その出版以前か
らパラマウントが獲得したとされていたものだが、その3年
間の期限が切れてしまったようで、新たにディズニーが権利
を獲得したとのことだ。そのディズニーは、ロバート・ゼメ
キス主宰のImageMoversと共同で権利獲得の交渉を行ったも
ので、両社ではモーション・キャプチャーによる映画化を目
指すことになる。それにしても動く石像というアイデアは、
正にモーション・キャプチャーそのものという感じだ。
 公開時期は未発表だが、ディズニー+モーション・キャプ
チャーは即3Dという図式も決っているようで、早い時期の
製作を期待したいものだ。
        *         *
 ところでディズニー+モーション・キャプチャーの計画で
は、先にティム・バートン監督の“Alice in Wonderland”
の全米公開日が2010年3月5日と発表されているものだが、
その際には、全米のIMAXシアターでも同時公開されることが
報告された。
 これは、2008年11月19日に報告されたディズニーとIMAX社
の共同事業の一環として行われるもので、この事業ではディ
ズニー製作の5作品をIMAX-3Dで同時公開することが謳われ
ていた。そして、その第1作となる“The Jonas Brothers:
The 3-D Concert Experience”が2月27日に全米公開された
ところのものだ。
 さらにその第2作には、当初は第1作になると見られてい
た年末公開予定のゼメキス監督作品“A Christmas Carol”
が決定されており、今回報告の“Alice in Wonderland”は
第3弾となる。この他“Beauty and the Beast 3-D”のIMAX
上映も計画されているはずで、ここまでですでに4作品。そ
の最後が上記の“Stoneheart”だと、3部作の第1話までと
いうことになってしまうが、さてどうなのだろうか。
 なお、日本のIMAX状況としては、昨年8月1日付第164回
でも紹介したように東急系の109シネマズが新たな展開を
計画しているものだが、その計画は当初の発表より少し遅れ
て、今年の夏に神奈川県川崎市と埼玉県菖蒲町に開館となる
ようだ。そしてこの計画では、IMAX社が直接運営にも関わる
ようなので、ディズニーとの共同事業である上記の作品は正
に優先上映の対象となるものと思えるが…
 一方、3D映画に関しては、以前にも書いたと思うが、視
野中にスクリーンの枠が入ると3D感が一気に減少してしま
うもの。その点でスクリーンが視野一杯に広がるIMAXは正に
理想的な上映システムで、しかも上下にも広がりのある本来
のIMAX作品なら究極の3Dが楽しめる。そしてモーション・
キャプチャーの作品は、基本的にCGIアニメーションとな
るものだから上下の広がりにも対応可能なもの。出来るだけ
IMAXサイズに合わせた作品を期待したいものだ。
 そんなことも含めて、今後のディズニー3D作品にはます
ます期待したいところだ。
        *         *
 今年2月1日付第176回で“He-Man”の計画を紹介した玩
具メーカーマテル社の男の子向けアクション人形で、1966年
に発表された“Major Matt Mason”の映画化がユニヴァーサ
ルで計画されている。
 この人形の職業は宇宙飛行士。軌道上の宇宙ステーション
に暮らし、月面探査を行うチームのリーダーという設定だ。

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04月01日(水)
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