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On the Production
by 井口健二
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■第178回
 因にこの計画では、主人公の名前がJoe Tezcaと紹介され
ていて、これは普通に読むとジョー・テズカ。何となく手塚
さんの名前を連想するところだが、関係はあるのかな。
 なおロドリゲス監督は、ディメンションでは1996年公開の
“From Dusk Till Dawn”以来、“Spy Kids”シリーズから
“Sin City”“Planet Terror”までの主要な作品の殆どを
送り出している。“Sin City 2”“3”の遅れは気になるも
のの、今回の作品にも期待したいところだ。
        *         *
 次は、前回“Lost in Austen”を紹介した19世紀イギリス
の女流作家ジェーン・オースティンに関連する作品で、今度
は“Pride and Predator”という計画が発表された。
 この題名が、映画化もされた1813年発表の『高慢と偏見』
(Pride and Prejudice)を捩ったものであることは言うま
でもないが、それにしてもPredatorというのは…。お話は、
オースティンの原作の時代設定で、そこにエイリアンの宇宙
船が不時着して殺戮が始まる…となっている。何ともはや、
という感じもするが、脚本と監督は2007年に“The Amazing
Trousers”という時代物の短編パロディ作品を発表している
ウィリアム・フェリックス・クラークが担当し、撮影は今年
後半にロンドンで開始予定とのことだ。
 ただしこの計画で、製作は歌手のエルトン・ジョンが主宰
するロケット・ピクチャーズが行うもので、もちろん音楽も
彼が付けることになっている。そこまでするならそれなりの
作品も期待したいところだが。実はロケットでは、ジェーム
ズ・マカヴォイとエミリー・ブラントが主役の声優を務める
CGIアニメーションで“Gnomeo and Juliet”という作品
も製作中とのことで、そういう趣味の人でもあるようだ。
        *         *
 続いては、最近何となく元気の良さを感じるドイツ映画界
から“Superhero”と題された若年向けファンタシー映画の
計画が発表された。
 この作品は、ニュージーランドの作家で映画監督でもある
アンソニー・マッカーテンが2007年に発表した“Death of a
Superhero”という長編小説を映画化するものだが、実は、
この原作がドイツ、スイス、オーストリア圏に紹介されて、
昨年度の若年向け作品の文学賞を受賞するなど評判になって
いたとのことだ。
 その映画化をドイツのバヴァリア・ピクチャーズが行うも
ので、脚色と監督はマッカーテン自身が担当することになっ
ている。因にマッカーテンは、1998年にダニエル・コーマッ
ク主演の“Via Satellite”という作品を発表している他、
昨年には“Show of Hands”という作品も監督している。
 物語は、白血病に苦しむ10代の主人公が厳しい現実の人生
からの逃避手段としてイラスト付きの冒険物語を創造する。
その冒険物語では、不滅のスーパーヒーローがマッドサイエ
ンティストとの永遠の戦いを繰り広げている…というもの。
内容はかなりシリアスのようでもあるが、作品では冒険物語
の場面も登場して、そのシーンはアニメーションで描かれる
ことになるようだ。
 そしてこの主人公を、『チャーリーとチョコレート工場』
などのフレディ・ハイモアが演じ、相手役として『パフュー
ム/ある人殺しの物語』などのドイツ人女優ジェシカ・シュ
ワルツの共演も発表されている。製作費は700〜1000万ドル
が計上され、実写シーンの撮影は今年後半からニュージーラ
ンドで開始、それに並行してドイツでアニメーションの製作
が行われる計画とのことだ。
 なおこの映画製作には、『バイオハザード』なども製作し
たバイエルン映画テレビ基金から95万6000ドルの出資が認め
られている他、ドイツ連邦政府による基金の活用も期待され
ているそうだ。このような支援策の充実が、最近のドイツ映
画が元気な理由でもあるのだろう。
        *         *
 ここからはリメイクの情報を3つほど紹介しよう。
 その最初はドイツ繋がりで、1984年にウォルフガング・ペ

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03月01日(日)
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