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On the Production
by 井口健二
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■第177回
し、それを俳優に語らせたからといって間違っているとは思
えない。さらにそこに完全なフィクションを入れることで、
全体のバランスを見事に取っている感じもしたものだ。
以上で、2月前半までの記者会見を報告させてもらった。
これからも折があれば質問はしたいと思っているので、その
ときはまた報告させてもらうことにする。
* *
ではここからは、いつもの製作ニュースを紹介しよう。
まずは、2004年8月1日付第68回で最初に報告して、07年
11月1日付第146回の頃にも再燃していたDCコミックス原
作による“Green Lantern”について、新たにマーティン・
キャンベル監督を招請していることが発表された。
キャンベル監督というと、アントニオ・バンデラス主演の
『ゾロ』2部作や、ピアーズ・ブロスナン=新007誕生の
『ゴールデン・アイ』、そして『カジノ・ロワイヤル』での
ボンド復活が決まったときには、そのリスタートの監督にも
起用された人だが、今回も新シリーズのスタートに当っては
ベストの人材と言えそうだ。
一方、脚本に関しては、第146回の際に報告したグレッグ
・バーランティらによるものが完成されており、差し当たっ
てはそれに沿って進められることになりそうだ。因にバーラ
ンティは、以前の情報では監督に起用されていたものだが、
ワーナー側の要請などで現在は製作を担当することになって
いるようだ。
なおキャンベル監督の状況は、1985年に製作したBBCの
ミニシリーズを自ら映画化する“Edge of Darkness”という
作品の撮影を終えたところでスケジュールはフリー。また、
DCコミックス原作の映画化では、ジョッシュ・ブローリン
主演、ジミー・ヘイワード監督による“Jonah Hex”が4月
の撮影開始予定になっており、ワーナーの発表では“Green
…”はそれと前後しての公開予定とされている。
これらを勘案すると、配役などの発表はまだ無いものの、
本作の製作は近々に開始されることになりそうだ。『アイ・
アム・レジェンド』で、主人公が訪れるDVDショップに貼
られていたポスターが、ようやく本物になるのかな。
* *
次も、2000年頃から計画されていた作品で、ジェリー・ブ
ラッカイマー製作“Gemini Man”の監督を、『LAコンフィ
デンシャル』などのカーティス・ハンスン監督と交渉してい
ることが報告された。
この作品は、後の2005年に“Lost”という作品を発表する
ダーレン・リムケのオリジナル脚本から、一時は『アルマゲ
ドン』などのジョナサン・ヘンスレイが脚本を担当し、トニ
ー・スコット監督やメル・ギブスンの主演など、ブラッカイ
マー製作では『アルマゲドン』に続く大作と宣伝されていた
ものだ。しかし製作の機会に恵まれないまま、2001年には製
作延期が発表されていた。
その作品に今回は、ハンスン監督との交渉が公表されたも
ので、脚本には、『トロイ』などのデイヴィッド・ベニオフ
の手によるものが提示されているようだ。
物語は、アメリカ国家安全保障局(NSA)の捜査官が引
退を試みるが不自然な事故で生命が危うくなる。しかもそこ
に、彼自身のクローンと思われる若者の介在が認められる…
というもの。ブラッカイマーの作品では、『アルマゲドン』
というより『デジャヴ』の系統の作品と言えそうで、そこに
ハンスン監督はマッチしそうな感じもするところだ。
製作時期やキャスティングなどは未発表だが、ハンスン監
督なら主人公の葛藤などにも面白いものが描けるかもしれな
いし、その辺にも興味が湧くものだ。
* *
前回もナチス絡みの“Fatherland”という作品を紹介した
が、今回は月に置かれたナチスの基地からの地球侵略という
SF映画の計画が発表されている。
英語題名は“Iron Sky”。物語は第2次世界大戦の末期に
ナチスの科学者が反重力装置を開発し、建造された宇宙船に
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02月15日(日)
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