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On the Production
by 井口健二
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■鴨川ホルモー、恋極星、チョコラ!、ヤッターマン、ピンクパンサー2、ニセ札
にまあ最近の日本映画の水準では、これでも纏まっている方
のようにも思える。
出演は、『デスノート』で弥海砂役の戸田恵梨香、『猫ラー
メン大将』などの加藤和樹。若い2人が懸命に生きて行こう
とする薄幸のカップルを良い感じで演じていた。他に。若葉
竜也、吹越満、熊谷真実らが共演。
監督はAMIY MORI。本業は世界的に活動している女流写真家
だそうで、美しく撮影された北海道の風景は、それだけでも
心に染みるものがある。因に本作は、脚本家の横田理恵、製
作者の木村元子が全て女性という日本映画では珍しい体制で
製作されている。
なお星がテーマの作品ということで、映画の中では流星雨が
再現され、それは美しかった。しかもその星の流れる方向が
徐々に変化しているのには芸の細かさも感じた。もっとも、
映画の設定時間でこの変化はないはずだが、それは映画的な
創作というところだろう。
それに、その状況に至る部分の説明には、ちょっと感動させ
られるものがあった。それも甘い話ではあるのだが、それが
この物語の良さでもあるものだ。
『チョコラ!』
東アフリカ・ケニア共和国の首都ナイロビから自動車で1時
間ほどのところにある地方都市ティカ。この人口10万の町の
ストリートで暮らす子供たちを追ったドキュメンタリー。
その子供たちは、道端で鉄屑やプラスティックの容器を拾い
集め、それを回収業者に売って得た小銭で生活している。そ
んな子供たちは、スワヒリ語で「拾う」を意味する言葉から
「チョコラ」と呼ばれている。
子供たちには親がいない訳ではなく、ただ親許では暮らせな
いから路上で生活している。それは逆に、孤児ではないから
孤児院に収容することもできず、彼らに教育を与えるための
デイケア施設はあるが、そこに寝泊まりはすることができな
いものだ。
そんな環境の中でも、子供たちは小銭で買ったり漁ってきた
食料を仲間と分け合い、時には歌や踊りにも興じながら逞し
く生きている。特に映画の最後に出てくる子供たちの間に歌
い継がれているという歌は、見事な作品になっていた。
本作はドキュメンタリーであるから、一概にフィクションと
の比較をすることはできないが、『シティ・オブ・ゴッド』
や『スラムドッグ$ミリオネア』に描かれた子供たちとはま
た違う、最低辺に暮らす子供たちの姿が描かれている。
もちろんそこには諸外国からの援助もあって、中では日本人
女性が運営する施設も紹介されているが、それこそ焼け石に
水のような努力を続ける姿には、ただ頭が下がるという以外
の言葉が見つからなかった。
ただし映画全体の流れとして、中で母親を写しているシーン
に相当の時間を費やしているのが、ちょっと奇異にも感じら
れた。結局、彼女の立場を観客に理解させるために必要だっ
たということにはなるのかもしれないが、これは余分に感じ
られた。
その分もっと子供たちの姿を観たかったし、それより現地で
活動する日本人女性の行動なども、もう少し判りやすく描い
て欲しい感じもしたものだ。まあ、いろいろな思惑はあるの
だろうが、観ていてこの点だけが少し気になった。
でもまあ、世界でこういうことが起きているのだと教えて貰
えるのはありがたいことで、この現実をもっと日本人に知っ
て貰いたいものだ。
『ヤッターマン』
1977年1月1日から79年1月24日まで全108話が放送された
タツノコプロ製作によるギャグアニメシリーズの実写版。
僕はこの頃のテレビアニメをほとんど観ていないので、オリ
ジナルとの比較はしずらいが、情報によると毎回がほぼワン
パターンの展開で、そこにいろいろなギャグが挿入されてい
たもののようだ。そのギャグも、いろいろ定番のものが繰り
返し使われていたとある。
僕は本作をその程度の予備知識で観に行ったもので、正直、
ストーリーに乗れなかったらどうしようとの不安もあった。
しかしそれは杞憂でしかなかったようで、ストーリーの展開
やギャグも判りやすいし、映画は何の違和感もなく楽しむこ
とができた。
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02月14日(土)
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