ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460259hit]

■第175回
う。そして主人公となる農夫の若者は、プリンセス救出のた
め危険な巨人の国への遠征を行うことになる…というもの。
脚本は、1975年『星の国から来た仲間』に基づくディズニー
の新作でザ・ロック主演による“Race to Witch Mountain”
を手掛けたマット・ボマックが担当。製作はニール・モリッ
ツという作品だ。
 なお、今回題名の“Jack the Giant Killer”は、「ジャ
ックと豆の木」(Jack and the Beanstalk)の別題としては
比較的多く用いられているもので、同じ題名での映画化も、
1962年ネイザン・ジュラン監督作品などがすでに製作されて
いる。そしてこの作品でも、美しいプリンセスを巡る冒険物
語が展開されていた。因にこの作品は、1970年『恐竜時代』
(When Dinosaurs Ruled the Earth)などのジム・ダンフォ
ースが特殊効果とアニメーションシーンを手掛けたとも言わ
れているものだ。
 という作品だが、前の2作では現代技術の最先端を扱った
カルーソ監督がどのような巨人の国を描いて見せるかにも興
味が湧く。そして若き農夫役をラブーフが演じるかどうかも
注目になりそうだ。ただしカルーソ監督の予定では、2008年
2月15日付第153回で紹介したコミックス原作“Y: The Lost
Man”の映画化の計画も進められており、今回の計画がその
前になるか後になるかは未定のようだ。
        *         *
 お次は、“Terminator: Salvation”の公開を控えるMcG
監督の次回作に、ディズニー製作で“20,000 Leagues Under
the Sea: Captain Nemo”という計画が発表された。
 この作品は、2006年にトニー・スコットが監督した『デジ
ャヴ』などのビル・マーシリの脚本を映画化するもので、内
容は、1954年にディズニーで映画化されたジュール・ヴェル
ヌ原作『海底二万哩』に登場するネモ船長のキャラクターを
使ったオリジナルの物語とのことだ。
 因に、1954年版の“20000 Leagues Under the Sea”(,の
ないのが正式らしい)は、ディズニーがアメリカ国内で製作
した初の実写作品とされる(ディズニーは1950年に凍結資産
解消のためイギリスで実写作品の『宝島』を製作している)
もので、同年の興行成績は第2位を記録した他、アカデミー
賞でも3個のオスカーを獲得している。また東京ディズニー
ランドなど各地のテーマパークのアトラクションとしても人
気の高いもので、つまり今回は、オリジナルのリメイクと、
アトラクションの映画化の2面を持つものだ。
 詳しいストーリーなどは発表されていないが、ファミリー
向けの映画になるとのことで、ディズニーでは、できれば今
年中の製作を期待しているようだ。
 一方、McG監督には『ターミネーター』の続きも期待され
ているものだが、監督自身の意向でその前に別の作品を1本
撮りたいとしていたもので、今回の作品はそれに合致するも
の。ただしこの次回作の契約には各社が争奪戦を繰り広げた
もので、ディズニーでは800万ドルの契約金から配給収入の
7%という破格の契約条件を提示したという情報も報告され
ている。
 主人公のネモ船長役にはウィル・スミスが興味を示してい
るという噂もあるようで、いずれにしても超大作の冒険映画
が期待できそうだ。
        *         *
 アメリカ航空宇宙局(NASA)の協力の許で製作が進め
られている“Quantum Quest: A Cassini Space Odyssey”と
題された3Dアニメーション作品に、『スター・トレック』
で新旧カーク船長役のウィリアム・シャトナー、クリス・ペ
インと、『スター・ウォーズ』で新旧ダース・ヴェイダー役
のジェームズ・アール・ジョーンズ、ヘイデン・クリステン
センの声優での共演が発表されている。
 作品にはこの他にも、サミュエル・L・ジャクスン、マー
ク・ハミル、『X−ファイル』のアマンダ・ピート、『ブラ
インドネス』のサンドラ・オー、『幸せの1ページ』のアビ
ゲイル・ブレスリン、さらにニール・アームストロング船長

[5]続きを読む

01月15日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る