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On the Production
by 井口健二
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■第172回
カー、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースター
と再共演、第3作のクリス・モーガン脚本、ジャスティン・
リン監督によるこの作品は、2009年6月12日の全米公開に向
けて、すでに撮影は完了している。
        *         *
 ジェームズ・ボンドの再来ということではもう1本、ロバ
ート・ラドラム原作の「ジェイスン・ボーン」シリーズに、
第4作の計画が発表された。
 このシリーズに関しては、すでにラドラムが執筆した3冊
の原作本は映画化が完了しており、然りとて2001年に亡くな
った原作者にはその続きを望むこともできないものだった。
そこでここからは、正しくハリウッド的続編を作り出すこと
になるものだが、その映画化の権利について、映画製作元の
ユニヴァーサルとラドラムの遺族との間で交渉がまとまり、
ラドラムが創造したキャラクターをさらに発展させることが
できるようになったというものだ。
 そしてその第4作については、前3作で全世界で10億ドル
を稼ぎ出した主演のマット・デイモンと、前2作を手掛けた
監督のポール・グリーングラスが、前作『ボーン・アルティ
メイタム』を手掛けたジョージ・ノルフィの脚本の許、再結
集する計画となっている。
 ただし、一時は契約が済んだように報道されたデイモンと
グリーングラスについては、まだ契約までには至っていない
ようだが、デイモンは「グリーングラス監督が参加するなら
自分も出る」と明言しており、当初はデイモンの動向が一番
問題とされた計画は、取り敢えず実現に向かう目途は立って
きたようだ。取り敢えずユニヴァーサルでは、2010年夏の公
開を目指して計画を進めるとしている。
 またこの計画では、ラドラムの管財人を務めるジェフリー
・ワイナーという人の設立によるLudlum Entertainmentが、
直接映画製作にも関ることになっており、ワイナーは映画の
プロデューサーとしても名を連ねている。この会社では、ラ
ドラムの原作本に基づく映画化やヴィデオゲーム化を進める
と同時に原作本に基づかない計画も行うとしているもので、
今回はその趣旨にしたがって第4作に計画に参入しているも
のだ。
 そして今回のユニヴァーサルとラドラム側との契約では、
ラドラムが執筆した25作を越える作品についても、Ludlum社
との共同開発で進めることに合意しているとのことで、今後
はそれらの作品の映画化も進められることになりそうだ。た
だし、今年4月15日付第157回で報告したMGM契約の“The
Matarese Circle”と、2005年にレオナルド・ディカプリオ
が権利を獲得した“The Chancellor Manuscript”の2作品
は除かれることになるが、元々が役者・演出家でもあったラ
ドラムの作品は映像化に好適とも言われ、その実現が楽しみ
なものだ。
        *         *
 次は続報で、2007年11月15日付第147回で紹介したギレル
モ・デル=トロ監督による往年のイギリステレビ作品“The
Champions”(電撃スパイ作戦)の映画化について、ブライ
アン・シンガー監督、トム・クルーズ主演の“Valkyrie”な
どを手掛けた脚本家のクリストファー・マカリーの参加が発
表された。
 マカリーは、オスカー脚本賞を受賞した1995年『ユージュ
アル・サスペクツ』の脚本などでも知られるが、元々デル=
トロとは親交が有ったようで、今回の発表に際しては、「テ
レビのオリジナルは、魅惑的な可能性を持った素晴らしい物
語で、私はデル=トロと最初に話し合った瞬間から、この作
品に関りたいと思っていた」と抱負を語っている。
 そのオリジナルの物語は、中国での作戦を終えた男女3人
の秘密諜報員を乗せた飛行機がヒマラヤ山中で墜落し、奇跡
的に一命を取り留めた彼らは、彼らを助けた謎の人々によっ
て特殊な能力を授けられる。そして母国に帰還した彼らは、
その能力を駆使して正義のための戦いを繰り広げるというも
のだ。
 この物語のどこにモンスターが出てくるかは判らないが、

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12月01日(月)
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