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On the Production
by 井口健二
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■大阪ハムレット、ハイスクール・ミュージカル、ハルフウェイ、サーチャーズ、花婿は18歳、プライド、長江にいきる、NIGHT☆KING
アメリカだと、簡単に千マイル単位の距離が生じてしまう。
そんな現実も背景となっている作品だ。
主演は、『ヘアスプレー』にも出演していたザック・エフロ
ンと、ヴァネッサ・ハジェンズ。他に、アシュレイ・ティス
デイル、ルーカス・グラビール、モニーク・コールマン、コ
ーピン・ブルーらが、シリーズを通じて共演している。
10月末に公開されたアメリカでは、『マンマ・ミーア!』を
1.5倍程度引き離してミュージカル映画のオープニング記録
を樹立。1978年の『グリース』が持つ興行記録を、30年ぶり
に塗り替えることにも期待が持たれているようだ。
ただし日本では、CSの普及率が今一つ低いことが気になる
部分だが、音楽や歌、それに踊りなどで若さが爆発する楽し
い作品であることは確かだし、来年2月の公開までに何とか
盛り上げて行って欲しいものだ。
『ハルフウェイ』
『ロング バケーション』などのテレビドラマ脚本家・北川
悦吏子による初監督作品。北海道小樽を舞台に、同じ高校に
通う3年生男女の、大学進学を控えて揺れ動く青春の葛藤を
描く。
主人公の女子は、バスケットボールが得意な男子に憧れてい
るが、ある日の偶然から本人は気付かずに彼にその思いを知
られてしまう。そして、ようやくの決心で彼に告白しようと
したとき、その思いを知る彼に先を越されてしまう。
しかしこの状況で、彼が本気でそう思っていたのかどうか判
らないのも、この脚本の上手さとも言えそうなところだ。そ
して2人は交際を始めるのだが、地元での進学を決めている
彼女に対して、彼の志望校は東京の大学だった。
しかも、彼が進路を決めたのが告白より前だったことを知っ
た彼女は…
彼氏がバスケットボールの選手で、彼女の志望校と離れた大
学への進学を希望している。いやあ何処かで聞いたような話
だと思いながらこの作品を観たが、まさかそれを連続で紹介
することになろうとは…しかも本作の公開も来年2月の予定
とのことだ。
もちろん、作品の成立時期から考えて、どちらかが真似をし
たというはずはないのだが、それにしても、先の作品の紹介
では「日本では成立しない」と書いておきながら、直後にそ
れが成立している物語というのも恐れ入ったところだ。
でもまあ、本作は歌や踊りで豪華に飾ってはいないものの、
その分しっかりと2人の気持ちが伝わってくるところもあっ
て、特に北川ワールドとも言われる脚本見事さでは、簡単に
はその甲乙もつけがたい作品だ。
主演は、『ラブファイト』の北乃きいと『天然コケッコー』
の岡田将生。また、『赤い糸』の溝端淳平と『ちーちゃんは
悠久の向こう』の仲里依紗が共演。さらに、成宮寛貴、白石
美帆、大沢たかおらが脇を固めている。
特に年長の3人が演じる教師たちが生徒の話を真剣に聞き、
実に判りやすくその悩みを整理してくれるのが見事で、こん
な教師がいてくれたら生徒も幸せだろうなあ…と思ってしま
うところだった。
高校生の悩みは今も昔も、世界中も(?)変わらないという作
品。青春の迷いや決断がピュアな映像で綴られていた。それ
にしても、北乃きいのフックはかなり利きそうだ。
『サーチャーズ2.0』“Searchers 2.0”
1984年公開の長編デビュー作『レポマン』で知られるアレッ
クス・コックス監督の5年ぶりの新作。ジョン・フォード監
督による1956年の作品“The Searchers”(捜索者)に準え
て、その撮影地のモニュメントバレーに向かって復讐の旅を
行う2人の老優を描く。
主人公の2人は、子役時代に参加した映画の脚本家から手酷
い虐待を受けたのだという。そして、その脚本家がその地で
サイン会を開くという情報を得て、積年の恨みを晴らしに行
くというのだが…そこに、一方の老優の娘も巻き込んでの旅
の模様が描かれる。
しかしこの2人、ことあるごとにチャールズ・ブロンスンや
クリント・イーストウッド、セルジオ・レオーネなどの復讐
がテーマの映画談義を繰り広げて娘は呆れ顔。そして最後は
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11月23日(日)
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