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On the Production
by 井口健二
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■寝取られ男のラブ♂バカンス、旭山動物園物語、赤い糸、アライブ、ヘブンズ・ドア、女バス、空へ、チェ28歳の革命/39歳別れの手紙
愛。その他、長門裕之、六平直政、塩見三省、岸部一徳、柄
本明、堀内敬子らが動物園職員を演じる。特に長門、岸部ら
は象やマウンテンゴリラとの共演シーンもあり観ものだ。
さらに笹野高史、萬田久子、平泉成、麿赤兒、とよた真帆、
天海祐希らの脇役の顔ぶれも多彩で、この監督でこの題材だ
と、出たがる人も多かったのかな…という感じもした。
それに加えて動物たちの登場も多彩で、実際には旭山だけで
なく、全国の動物園の協力を得たという動物図鑑のような映
像も素晴らしかった。そして、映画の最後を飾る動物たちの
大合唱は、それだけでも聞き物になっているものだ。
『赤い糸』
2006年携帯サイトで連載開始されたケータイ小説の映画化。
そのアクセス数は累計3600万を越え、書籍版も180万部を突
破しているそうだ。そして本作は、12月6日スタートのフジ
テレビ系ドラマとの連動で12月20日に劇場公開される。
現時点ではテレビドラマがどう展開されているのか判らない
が、作品は本作だけで成立する物語になっており、もしかす
るとドラマの総集編という感じなのかも知れない。それにし
てはテレビが12月6日スタートでは、事前にはまだ2回しか
放送されていないはずで、その詳細は不明だ。
取り敢えず映画の物語は、1992年2月29日生まれの女子中学
生が主人公。彼女は同じ誕生日の同級生と出会い運命を感じ
るのだが、2人の間には過去の経緯もあるようだ。そして2
人の間にはいろいろな出来事が起き、その仲は引き裂かれて
行く。それでも運命を信じたい彼女だったが…
ドラッグからDV、友の死や自殺騒ぎまで、それに学園祭や
修学旅行も描かれて、放送2回分にしては目まぐるしく物語
が進む。上映時間の限られた映画ではこれもありかも知れな
いが、放送回数だって伸ばそうと思えば伸ばせるテレビシリ
ーズでこの展開は凄いものだ。
もしかしたら、放送分ではもっと先の方まで映画に盛り込ま
れているのかも知れないが、それにしてはかなり重要な展開
まで明らかにされているのは不思議なところだ。それが観客
を映画館に引っ張るための作戦としたら、それは見事なもの
ではあるが。
以前に別のケータイ小説のドラマ化を観ていた家人が、あま
りの展開の速さに驚いていたが、ケータイ小説はどれもこん
なものなのだろうか。これでは人間の情感のようなものは描
き切れないように思えるが、本作ではそれを無理矢理やって
いるところもまた凄い。
実際、この映画にはかなり微妙な心理的葛藤なども描かれて
いて、その辺がさらに先のドラマに繋がる仕組みなのも巧み
な計算なのだろうか。映画は一応の結末を迎えるが、テレビ
ドラマはまだ続くようだ。
主演は、南沢奈央、溝端淳平。他に、木村了、岡本玲、石橋
杏奈、桜庭ななみ、柳下大らの若手が大挙共演。さらに山本
未来、渡辺典子らが出演している。
監督は、『鹿男あをによし』や映画版『電車男』などの村上
正典、映画版の脚本は渡辺千穂が担当した。
『アライブ−生還者−』“Naufrages des Andes”
1972年10月、厳冬のアンデス山脈に旅客機が墜落、それから
72日後に14名が奇跡の生還を果たした。その事故の顛末を当
時の生還者たちの証言を交えて描いたドキュメンタリー。
この事故のことは、かなり明確に覚えている。と言うより、
その後の多分リーダーズ・ダイジェスト誌か何かに掲載され
た陰惨なドキュメントの衝撃が強く、その印象が自分の頭の
中に刻みつけられたものだ。
だから、その後に公開されたドキュメンタリー映画『アンデ
スの聖餐』は、音で聞いた題名が「凄惨」としか思えなくて
観られなかったし、フランク・マーシャルが映画化した『生
きてこそ』も、確か試写状は貰ったが観に行けなかった記憶
がある。
そんな内容の作品なので、今回も観ることをためらったのだ
が、先に観た友人に勧められて試写会に足を運んだものだ。
そして見終っての感想は、観て良かったの一言に尽きる。
作品は、フェイク映像を含めた事故の再現に始まる。その映
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11月16日(日)
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