ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460268hit]
■第170回
に挑戦するという計画を進めており、今回の“Cleo”は、監
督にとっては初の本格ミュージカル映画への挑戦とのこと。
『クレオパトラ』というと1963年のエリザベス・テイラー、
リチャード・バートン共演作が映画史に残るものだが、今回
は多分CGIも多用した作品になりそうで、その辺も面白く
なりそうだ。
ただしソダーバーグ監督は、その前にマット・デイモン、
マイクル・ダグラス共演による“The Informant”という作
品がワーナーで準備中となっており、さらにHDで撮影され
る“The Girlfriend Experience”という作品も計画が進行
中で、“Cleo”は、準備が順調に進んでもその後ということ
になるようだ。
* *
もう1本古代史もので、2004年にウルフガング・ペーター
ゼン監督の許、“The Illiad”に基づく『トロイ』に主演し
たブラッド・ピットが、今度はジョージ・ミラー監督と組ん
で同じくホメロスの叙事詩“The Odyssey”の映画化に取り
組む計画が発表された。と思いきや、何とこの計画で彼らは
大宇宙を舞台にした未来版を計画しているとの情報だ。
『オデュッセイア』の未来宇宙版ということでは、前回も
ジョー・ホールドマン原作の“The Forever War”の情報を
お伝えしたばかりだが、SF映画ファンには『2001年宇
宙の旅』の原題が“2001: A Space Odyssey”であることも
忘れてはならないものだ。
という叙事詩の映画化だが、原作の内容は『イリアス』の
続編ともされるもので、トロイア戦争の後、故郷のイタカ島
に向かった英雄オデュッセイウスが島を目前にして神の怒り
に触れて遠隔の地に飛ばされる。そこから故郷を目指す冒険
の旅と、オデュッセイウスの息子が父親を探す旅とが描かれ
ている。そしてこの叙事詩は、1963年にレイ・ハリーハウゼ
ンの手で映画化された“Jason and the Argonauts”(アル
ゴ探検隊の大冒険)の原作であるアポロニウスの叙事詩の基
になったものとも伝えられている。
その原作を今回は未来の宇宙を背景に描くとしているもの
だが、そこにブラッド・ピットの主演というのもかなり思い
切った作品になりそうだ。因にピットの次期公開作は、デイ
ヴィッド・フィンチャー監督によるファンタシー作品“The
Curious Case of Benjamin Buttan”となっているが、この
種のファンタシー系の作品に興味が高いのだろうか。
* *
ここからは続報をいくつか報告する。
まずは、今夏の大ヒット作『アイアンマン』の続編“Iron
Man 2”に関して、前作でテレンス・ハワードが演じたジム
・ローディ役が、『ホテル・ルワンダ』などのドン・チード
ルに交代すると発表された。
この2人は、共にオスカーノミネーションの経験もあるベ
テラン俳優同士だが、チードルがかなり熱烈な原作のファン
だとのことで、そのアピールが利いた結果のようだ。“Iron
Man 2”以降は「ウォーマシン」としての活躍も増えるロー
ディ役には、それなりの思い入れも必要と判断されたのかも
知れない。ただしこの発表は、ハワードにも寝耳に水だった
そうで、直後には本人も何がなんだか判らないと発言してい
たものだが、まあ映画界でも少し先輩のチードルに譲ること
は仕方ない面もありそうだ。
一方、主人公トニー・スターク役を演じるロバート・ダウ
ニーJr.には、製作会社のマーヴェル・スタジオとの間で、
スーパーヒーローサイズと言われる巨額の出演契約が結ばれ
たことも発表された。そしてこの契約では、“Iron Man 2”
“3”の他に“The Avengers”への出演も含むとのことで、
前作のエンドロール後で予告され、『インクレディブル・ハ
ルク』の最後でも告知されたスーパーヒーローチームの映画
化もこれで確実になったようだ。
なお、“The Avengers”では、アイアンマンとハルクは、
Captain America、Thorらと共に闘うことになるが、そこに
エドワード・ノートンの出演があるかどうかは不明。ただし
[5]続きを読む
11月01日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る