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On the Production
by 井口健二
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■第168回
因に“Cars”にはテレビシリーズ化の計画もあるそうだ。
また、『POTC』に続くアトラクションからの映画化と
して、テーマパークの一角をなす‘Tomorrowland’にインス
パイアされた作品を、ドウェイン“ザ・ロック”ジョンスン
主演で映画化する計画も発表された。具体的な内容は公表さ
れていないが宇宙物とのことで、脚本には、ニューライン製
作の“Ghost of Girlfriends Past”などを手掛けたジョン
・ルーカスとスコット・モーアが契約しているそうだ。ただ
し計画はごく初期の段階とされている。
さらに、“National Treasure 3”の計画も、ブラッカイ
マーとニコラス・ケイジの登場で発表されており、ここまで
来ると何処までが本気なのかちょっと心配になってくるが、
ディズニーでは、今年終盤から2009年に掛けては“Bolt”を
手始めに、“High School Musical 3”“Bedtime Stories”
“Race to Witch Mountain”“Hannah Montana:The Movie”
“Old Dogs”“The Princess and the Frog”“A Christmas
Carol”“Up”など、今より先の展望を見据えた作品が多く
続くだけに、今回は多少大仕掛けな発表会となったようだ。
今後の推移を注目したい。
* *
ところで前の記事に登場した“The Lone Ranger”だが、
この作品の姉妹編として“The Green Hornet”のあることは
今年7月1日付の第162回などでも紹介している。そしてそ
の映画化が、何とチャウ・シンチーの監督、共演で実現する
ことになった。
この計画は、元々はユニヴァーサルで立上げられ、その時
はジョージ・クルーニー、ジェット・リーという配役も紹介
されたが実現しなかった。その企画が、一時はミラマックス
でも検討されたが、最終的にソニー傘下の製作者ニール・H
・モリッツが権利を獲得、コメディアンのセス・ローガンを
脚本、主演に据えて準備が進められていたものだ。
そしてこの計画では、ローガンが当初からシンチーの共演
を希望していたもので、テレビシリーズではブルース・リー
が演じたカトー役へのシンチーの登場が期待されていた。
一方のシンチーは、中国映画の『カンフー・ハッスル』と
『ミラクル7号』を続けてソニーの現地出資により製作監督
しているもので、製作会社とは気心も知れ合っている。そこ
でアクションコメディでは実績のあるシンチーに、共演だけ
でなく監督も依頼することになったようだ。
因にシンチーは会見で、「子供の頃にはテレビシリーズの
大ファンだった。ブルース・リーの足跡を継ぐことには恐れ
と期待が半ばしている。このチャンスを与えてくれたソニー
に感謝したい。夢が実現した」と語ったそうだ。これでシン
チーは、初めてハリウッド映画監督に進出することになる。
なおこの会見において、本作の公開日は2010年6月25日と
発表されている。これはつまり、上記のディズニー版“The
Lone Ranger”と同じ年になる訳で、これはもしかすると同
時期のライヴァル作になる可能性もある。どちらもコメディ
の可能性も高いし、相乗効果も期待したいところだ。
* *
新規の情報を少し紹介しておこう。
ドリームワークスが、1962年に映画化された“The Day of
the Triffids”(人類SOS)や、1995年ジョン・カーペン
ター監督“Village of the Damned”(光る眼)などの原作
者としても知られるイギリスのSF作家ジョン・ウィンダム
の長編小説“Chocky”の映画化権を獲得し、スティーヴン・
スピルバーグの監督で進めることを発表した。
原作は、1968年に発表され『宇宙知性チョッキー』の邦題
で翻訳されたこともある作品で、イマジナリーフレンドのい
る少年の父親が、空想だと思われていたその友達が実は異星
人だったことに気付いて行くというもの。邦題がかなりネタ
バレだと思ってしまうところだが、これを『E.T.』のスピ
ルバーグがどのように料理してくれるか、監督自身が久々に
本格SFへの挑戦ということでも楽しみなところだ。
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10月01日(水)
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