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On the Production
by 井口健二
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■第167回
さらにこの製作には、今夏の『ヘルボーイ:ゴールデン・
アーミー』などを手掛けるジョー・ロスが当ることも発表さ
れている。因にロスは、『トリプルX』と“xXx: State of
the Union”を製作した当時のリヴォルーション・スタジオ
のトップだった人で、クレジットに名前は挙がらないものの
事実上の指揮を取っていた。そのリヴォルーションは2006年
10月に活動を停止したが、その後はソニー・ピクチャーズに
所属して、今回の復活劇を仕掛けているものだ。
という顔ぶれが揃うとされる続編だが、その題名は“xXx:
The Return of Xander Cage”と発表されているものの、脚
本などは未定で、コロンビア側も未だゴーサインを出してい
るものではない。しかし、X世代のジェームズ・ボンドとし
てシリーズ化も期待される計画には、仮にコロムビアで実現
しなくても他の複数の映画会社が権利の獲得を希望している
とされており、Xスポーツのヒーロー=ザンダー・ケイジの
復活は間違いないようだ。
* *
続いてもコロムビアの話題で、1984年と89年にも続編が作
られた『ゴーストバスターズ』の第3作が計画されている。
オリジナルの“Ghost Busters”(第1作はこの表記だっ
たようだ)は、当時テレビのコメディシリーズ“SCTV”が好
評だったハロルド・ライミスと、同じく“SNL”のダン・エ
イクロイドが共同で執筆した脚本を映画化したもので、この
2人にビル・マーレイを加えた3人の博士がゴースト吸引器
なる装置を開発。ゴーストの巣窟と化しているニューヨーク
を舞台に、声が掛かればどんなところにも参上してゴースト
退治を行うというお話。それで彼らは一躍都会のヒーローに
なるが…という展開のものだ。
共演には、シゴニー・ウィーヴァー、リック・モラニス、
アーニー・ハドスンらが顔を揃え、また監督は、アクション
コメディ専門のアイヴァン・ライトマンが担当していた。そ
してこのオリジナルは、1997年『メン・イン・ブラック』、
2002年『スパ−ダーマン』公開以前のコロムビア映画では稼
ぎ頭となっていたものだ。なお、第2作も同じ顔ぶれが全員
揃って製作されている。
その第3作となるものだが、実はこの第3作の情報につい
ては2006年6月1日付第112回でも紹介している。しかし、
ハロルド・ライミス自身が脚本を執筆するとされたその計画
は、実現に至らなかった。
それに対して今回の計画は、スティーヴ・カレルの主演で
すでに放送4年目を迎えている人気コメディシリーズ“The
Office”を手掛ける脚本家チームのリー・アイゼンバーグと
ジーン・ストプニツキーがアイデアを提出。同シリーズの演
出を担当したライミスと意見が一致したものだ。因にライミ
ス監督と脚本家たちは、すでにジャック・ブラックの主演で
“Year One”と題されたアドヴェンチャーコメディの製作を
完了しており、それに続く作品となる計画だ。
ただし計画では、ライミス、エイクロイド、マーレイ、ハ
ドスンのオリジナル・ゴーストバスターズが顔を揃えること
になっているそうだが、出演交渉は脚本が完成してからにな
るもので、それぞれ還暦も近い顔ぶれが20年ぶりに再結集す
るかどうかは多少心配。計画が進めばその辺も注目を集める
ことになりそうだ。
* *
コロムビアの話題ばかりになるが、一時はパラマウントで
進められていたデイヴィッド・フィンチャー監督の“Heavy
Metal”の第3作が、同社で進められることになりそうだ。
この計画については、今年3月15日付第155回でも紹介し
たように、現在雑誌出版元のオーナーをしているケヴィン・
イーストマンとフィンチャーが製作者としても名を連ねてい
るものだが。実は、フィンチャーが先にパラマウントで監督
した“The Curious Case of Benjamin Button”が、一応の
完成はしたものの、上映時間が長いとしてパラマウント側が
再編集を要求。しかしフィンチャー側が応じないことから、
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09月15日(月)
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