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On the Production
by 井口健二
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■ウォーリー、ハンサム★スーツ、弾突、M、ウォーダンス、ファム・ファタール、私の恋
かったが、案外まじめにコメディと取り組んでいるのには好
感が持てた。因に映画は初主演だそうだ。
共演は、女優陣が北川景子、佐田真由美、大島美幸(脚本家
夫人)、本上まなみ、佐々木希。男優陣は池内博之、山本裕
典、ブラザートム、温水洋一、中条きよし、伊武雅刀。それ
ぞれ臭い部分もあるが、この物語には合っていたようだ。
監督はCMディレクター出身の英勉。長編映画は初作品のよ
うだが、全体的なバランスも良い感じだし、こちらもこの手
の人材としてはまともで良い感じだった。
テーマ的にはどうかなあと思う作品ではあるが、まじめに作
っている感じは良かったし、細かいところではいろいろ引っ
掛かる部分もありはするが、映画の全体としては悪くない作
品だった。
『弾突DANTOTSU』“Pistol Whipped”
スティーン・セガール主演による格闘技アクション映画。
セガールアクションでは、1992年『沈黙の戦艦』以降、正式
の続編は1本だけなのに『沈黙』シリーズと称された作品が
多数あるが、2001年『DENGEKI電撃』頃からローマ字
+漢字2文字の日本公開題名もあったものだ。
また今回は、1988年『刑事ニコ』で主演デビューから20周年
の作品とも称されており、「もう『沈黙』しないで」という
娘・藤谷文子の言葉も添えられている。これで『沈黙』が終
わるかどうかは知らないが。
物語は、元は殺人許可証を持つ政府機関の暗殺者で、その後
は地元の刑事になったものの酒とギャンブルに身を持ち崩し
た主人公が、その借金(123万ドル)を謎の男に肩代わりさ
れ、それと引き換えに暗殺を指令されるというもの。
その標的は、地元の顔役など裏社会にいる人間たちで、法律
では裁けない悪を倒すある種の『仕事人』のようなものだっ
たが…
過去のセガール作品では、主人公は常に清廉潔白、敵も間違
いなしの悪人で、ただバッタバッタと打ち倒していたが、今
回の主人公はアル中でギャンブル狂など、ちょっと今までと
は違う雰囲気も出している。
それに、指令される暗殺も、必ずしも納得は出来ないものだ
し、その他のプレッシャーも掛けられる。特に実の娘との関
りを含めての謎の男が繰り出す心理的な部分は、それなりに
うまく描かれていたような感じもするところだ。
とは言え、アクション映画であることには変わりなく、一旦
ことが始まればいつも通りのセガールが出現する。それは、
格闘技と銃撃戦のオンパレードで、一時期スタントマンも使
ったようなド派手なアクションではないが、それなりに堅実
に作られたものだ。
共演は、ランス・ヘンリクセン、レネ・ゴールズベリー、ポ
ール・カルデロン、それにブラチャード・ライアン。スター
級ではないが脇役としてはそこそこの顔ぶれが集められてい
る。
監督はオランダ出身のロエル・レーヌ、脚本は、『RONI
N』などのジェイ・ディー・ザイク。典型的なB級アクショ
ン映画で、それが目当ての観客には、これで充分と言えるだ
ろう。
『M』“엠”
9月下旬開催の「韓流シネマ・フェスティバル2008」で
上映される作品の1本。新作の執筆に行き詰まった作家が、
ふと訪れた路地裏のバーで不思議な体験をする。
その前には、その作家をストーカーする若い女性がいたり、
その女性や主人公が鏡の中の存在であることを暗示したり、
街角の風景が歪んだり、油絵のような感じになったりなどな
ど、いろいろ摩訶不思議な映像も登場する。
バーの名前がLupinであったり、全体的にサスペンス調で展
開されるが、実は本当の物語はそうではなかったりもする。
何にしろ目眩ませのような展開続出の作品で、物語も作家が
書き掛けの新作なのか、あるいはただの妄想なのかも判然と
はしない。
ただしその物語の全体には、何処か懐かしさや、青春の想い
出のようなものも忍び込んできて、そこには心地よさも感じ
られる。そして結末では、一応の纏まりは付けられるが、そ
れがその通り終わっているかどうかも明白ではない。
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08月24日(日)
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