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On the Production
by 井口健二
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■第165回
新脚本家コンビへの期待も高まる。
ただし、1982年公開の“Conan the Barbarian”は全米興
行収入約3900万ドル、1984年の“Conan the Destroyer”は
約3100万ドルだったもの。これに海外分も加えると1億ドル
は突破するが、異世界ファンタシーブームもちょっと過剰気
味のこの時期に、特にRレイトを目指すという製作計画での
勝算は如何にというところだ。
なお同じ脚本家コンビの作品で、上記の“Outlander”は
TWCの製作ですでに完成しており、海外ではこの秋から公
開が始まるようだ。一方、スカーレット・ヨハンソン主演で
計画が進められている“Amazon”に関しては、現状は中断中
となっているようだが、ライオンズゲートで進められている
この計画に脚本家たちが呼ばれたことから、今回の計画への
参加が決まったようで、今回の“Conan”は、それに優先し
て進められるとされている。
と言っても製作開始は来年となるものだが、すでに紹介し
ている“Red Sonja”、前回紹介の“Thulsa Doom”と合せて
ハワード・ブームの到来を期待したいものだ。
* *
次も脚本家の契約の情報で、今年6月1日付の第160回で
紹介した往年のスーパー・ヒーロー“Flash Gordon”の映画
化計画に、マット・サザマ、バーク・シャープレスの脚本家
コンビの契約が発表された。
この脚本家コンビの名前は、昨年7月15日付の第139回で
紹介した実録版“Dracula Year Zero”と、SFコミックス
の映画化“Cobalt 60”(核戦争後の未来を背景にした物語
だそうだ)にも挙がっていたが、これらの計画はいずれもユ
ニヴァーサルで進められていたもので、今回はそこを離れて
ソニーとの契約となっている。
因に1930年代のオリジナルの物語は、若きポロ選手の主人
公フラッシュ・ゴードンが、遠征先のチベットからの帰国の
際に、仲間のデイル・アーデン、ハンス・ザーコフと共に誘
拐され、遠隔の星モンゴに連れて行かれる。そこで、ミン皇
帝と名告る敵を相手に様々な冒険を繰り広げるというもの。
チベット、モンゴ(蒙古?)、ミン(明?)というのは今の
時代にちょっと気にはなるが、どうするのだろうか。
それに、主人公のやっているスポーツが1980年に映画化さ
れていたときには、アメリカン・フットボールになっていた
と記憶するが、今度はどんなスポーツになるかも楽しみだ。
なお、ユニヴァーサルで進められている2つの計画はいず
れも中断中とのこと。一方、“Flash Gordon”も以前はユニ
ヴァーサルで進められていたものだが、実は製作のニール・
モリッツ、監督のブレック・アイズナーは、そのときから関
わっており、脚本家コンビもそのころから目を付けられてい
たのかもしれない。
いずれにしても早期の実現を望みたいものだ。
* *
『300』に続くギリシャ時代に書かれた古代戦記物で、
紀元前4世紀ごろにソクラテスの門人クセノフォンによって
記録された“Anabasis”の映画化を、ソニー=コロムビアで
行うことが発表された。
物語の背景は、紀元前401年。ギリシャとペルシャの戦い
が続く中、ペルシャ国王に反旗を翻した王の弟を援護するた
め遠征した1万人のギリシャ軍傭兵が、王弟の戦死によって
敵国の只中に取り残される。しかし彼らは、そこから6000km
を踏破してギリシャ圏に帰還。その戦いの様子を傭兵軍に従
軍したクセノフォンが記録したものだ。そしてこの物語は、
1979年にウォルター・ヒルが映画化した『ウォリアーズ』の
基になったとも言われている。
その映画化を今回は、ソニー傘下モザイク・ピクチャーズ
を率いるジミー・ミラーと、HBOの歴史シリーズ“Rome”
などを手掛けるロビー&ジョナサン・スタムプ兄弟の製作で
進めるとしたもので、脚本の執筆には、ピュリッツァー受賞
者の劇作家ロバート・シェンカンの契約が発表されている。
因に、シェンカンとソニー・ピクチャーズCEOのマイク
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08月15日(金)
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