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On the Production
by 井口健二
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■第164回
・リンの製作で進めることが発表された。
この計画については、実は以前はフォックスが権利を保有
していたものだが、そこでは実現せず。その権利が失効して
ワーナーが獲得。ニューラインの権利をワーナーに譲渡して
独立したシェイとリンが、新たに設立した製作会社のユニー
ク・フューチャーズを通じて、その第1作として製作を進め
るというものだ。
人類が築き、12000年も存続した銀河帝国が人知れず崩壊
を始めた頃の物語。1人の天才数学者がその事実を予見し、
その後の第2帝国が成立するまでの暗黒時代を少しでも短く
するために、銀河の英知を集めたFoundationと呼ばれる組織
を作り上げる。それは暗黒時代を迎えても、そこには人類の
知識が保存され、それを新たな帝国の礎にしようとするもの
だ。しかしそれはその存在自体が現状の帝国と対立し、また
Foundationも内部崩壊の危機に陥って行く。
アジモフがエドワード・ギボン著『ローマ帝国衰亡史』に
ヒントを得て構想した人類の未来史は、その他の歴史書など
の影響を受けながらそれを未来の大宇宙に転嫁することで、
壮大な規模の作品群として完成された。その物語は、1980年
代にアジモフ自身によって書き継がれ、またアジモフの没後
にも新たな作家たちによって発展されている。
その映画化をシェイらとワーナーが進めるとしたもので、
監督や脚本家などは未定なものの、まずは最初のtrilogyの
第1巻の脚色を完成させ、それが上手く行ったら直ちに第2
巻、第3巻と進めて、『LOTR』で成功したのと同じ方法
で3部作の映画化を行うとしている。つまりこれは、実現す
れば3年連続での映画化という計画になるものだ。
因にこの脚色には、過去には『ザ・コア』のジョン・ロジ
ャース、『スピーシーズ』のデニス・フェルドマン、『アイ
・ロボット』のジェフ・ヴィンターらの名前が挙がっていた
ようだが、現状で誰がタッチしているかは明らかではない。
しかし、3部作が目標となればかなりしっかりしたヴィジョ
ンの持ち主が必要とされる訳で、『LOTR』でのピーター
・ジャクスンやフラン・ウォルシュのような作家の登場が期
待されるところだ。
一方、アジモフが執筆した原作は、1980年代には前日譚な
ども含む全7巻に拡大されており、将来的にはその映画化も
期待したいし、その他の関連作品も含めた壮大な未来史の映
画化も期待したい。
なお、シェイとリンが設立したユニーク・フューチャーズ
は、ワーナーと3年間の優先契約を結んで毎年2作品を製作
するとしているもので、今回の計画がその第1作とされてい
る。しかし製作の規模から考えて製作第1号になるとは考え
難く、多分その前に小品の製作はされることになりそうだ。
とは言っても、本作についても契約期間の3年以内に製作の
目処は付ける必要があり、その実現に向けてこれからの情報
が注目される。
* *
続いてはサンディエゴで開催されたComic-Conに関連して
コミックスの映画化の話題をいくつか紹介しよう。
最初は続報で、2006年2月15日付第105回などで紹介した
“Caliber”の映画化を、ジョン・ウー監督で進めることが
発表された。
この計画は、以前の紹介では、ジョニー・デップが原案を
担当したコミックスを、デップの主演を視野に入れて映画化
するということだったが、今回の報道ではデップ主宰の製作
プロダクション=イフィニタム・ニヒルが映画製作に関与し
ていることは報じられていたが、原案その他についての情報
は明確にはされていなかった。
元々この計画は、女優のロザリオ・ドースンの原案による
“O.C.T.: Occult Crimes Taskforce”などと共に、当時は
トロントに本拠のあったSpeekeasy Comicsという出版社から
発表されたものだ。しかし上記の報告の直後にこの出版社が
営業を停止、計画は宙に浮いてしまった。そして“O.C.T.”
に関しては、アメリカのImage Comicsが権利を引き取って出
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08月01日(金)
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