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On the Production
by 井口健二
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■第163回
最初はちょっと面白そうな新作の話題で、コロムビアから
“Mythological Veterinarian”というコメディ作品の計画
が発表された。
物語は、現代の獣医が世界の神秘的な生物を監視している
秘密結社に招かれるというもの。映画会社の発表はここまで
だが、多分、風邪を引いたり翼が傷ついたりしたドラゴンや
キメラの治療を行うことになるのだろうというのがファンサ
イトの予想だ。もちろんそんな単純な話ではないと思うが…
脚本は、アンドリュー・カーツマンという脚本家のオリジ
ナルで、この脚本家は、2003年7月1日付の第42回で紹介し
たロブ・ミンコフ監督によるテレビアニメシリーズの映画化
“Mr.Peabody & Sherman”や、ジム・キャリーの製作、主演
によりユニヴァーサルで企画中の“Sober Buddies”なども
手掛けている。因にカーツマンは、1982−85年当時のテレビ
『サタデイ・ナイト・ライヴ』のライターで、その頃の日本
公開作では、1989年にジーン・ワイルダー脚本、主演、リチ
ャード・プライヤー共演の『見ざる聞かざる目撃者』に参加
の記録があるだけだが、最近になって上記以外の計画も複数
発表されるなど、活動が活発になっている。
神秘生物の獣医というと、今なら『ハリー・ポッター』の
ハグリットが思い浮かぶところだが、コメディ作品でこの設
定というのもいろいろな展開が考えられそうだ。後は監督と
主演に誰が起用されるか、主演は『エース・ベンチュラ』の
ジム・キャリーというのも面白そうだが。
* *
お次は競作の話題で、サー・コナン・ドイルが創案した名
探偵シャーロック・ホームズの冒険の映画化が、コロムビア
とワーナーで計画されている。
まず、コロムビアの計画はコメディで、『スウィーニー・
トッド』のサッシャ・バロン・コーエンがホームズを演じ、
『俺たちダンクシューター』のウィル・フェレルがワトスン
を演じるというもの。因にこの2人は、2006年に全米で大ヒ
ットを記録した“Talladega Nights: The Ballad of Ricky
Bobby”に、ライヴァルレーサー役で出演して以来の再共演
となるものだ。
題名は未定で、具体的な内容もまだ発表されていないが、
脚本は、今年11月7日に全米公開予定のアニメーション続編
“Madagascar: Escape 2 Africa”も手掛けているイーサン
・コーエンが担当。彼は、今夏公開されるベン・スティラー
監督、主演の戦争アクション・コメディ“Tropic Thunder”
にも参加しているなど評価が高い。なお発表では、ドイルの
キャラクターにインスパイアされた…となっているが、この
顔ぶれではかなり飛んだものになりそうだ。
撮影は来年の春以降の予定になっている。
* *
一方、ワーナーの計画は、昨年4月1日付第132回で紹介
したライオネル・ウィグラム製作の“Sherlock Holmes”が
進行しているものだが、この計画は、前回の報告からかなり
変更されていて、まず監督には、今年3月30日付で紹介した
『リボルバー』のガイ・リッチーが参加。そして主演には、
『アイアンマン』を大ヒットさせたロバート・ダウニーJr.
のホームズ役が発表されている。
また脚本も、2001年マイクル・ダグラス主演のサスペンス
作品『サウンド・オブ・サイレンス』などを手掛けたアンソ
ニー・ペッカムが最新版を執筆しており、これからリッチー
監督が手直しを加えて、撮影は今年10月に開始の予定となっ
ている。
こちらはしっかりとドイルの原作に基づくとされているも
ので、そこにリッチー監督ならロンドンには精通していそう
な感じもするところだ。ただし、ホームズの活躍の舞台とな
るヴィクトリア朝のロンドンはどうなのだろうか。とは言え
この顔ぶれなら、ストレートな作品にはなりそうだ。
なおダウニーJr.の主演作では、昨年10月15日付第145回で
紹介した“The Soloist”が11月21日全米公開の予定になっ
ているものだが、その前に公開される“Tropic Thunder”に
も出演しているようだ。
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07月15日(火)
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