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On the Production
by 井口健二
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■胡蝶の夢、オンリーピック、フレフレ少女、ゲット・スマート、フェルメールを探して、三本木農業高校馬術部、ハルク、攻殻機動隊
るものだが、発想自体は在来りでも映像や演出が面白かった
ものだ。
この他、筧昌也監督「ブランカー」と中尾浩之監督「巨大相
撲」も観られたが、前者のオチは先に判ってしまう。ここに
は『スペース・カウボーイ』くらいの壮大さが欲しかった。
やってもパクリと言われたかも知れないが。
一方、後者のオチは、技術的にも辻褄が合わせられるように
も思えたもので、もう少しその辺を詳細に描いたら、それは
それでドラマにもなったように思えた。それは多分、本作の
テーマに沿うことにもなったはずのものだ。
その他の作品は、既存の競技の道具立てだけ変えたようなも
のが多く。特に、それが暴力的に終わるという発想は、あま
り好ましいものには思えなかった。
さらに、ドーピングや戦争兵器をあからさまに出して来るの
は不快感が募るもので、それぞれ映像の直後で、ゲスト出演
者の中川翔子が「絶対反対です」と発言してはいるものの、
作家の基本姿勢がそれを認めていることは明らかなものとな
っている。また、それを「お笑いだから」と言ってごまかす
ような態度も、あまり良い感じはしなかった。
『フレフレ少女』
新垣結衣の主演で、高校の応援団を舞台にした青春ドラマ。
新垣は前作『恋空』の大ヒットで、かなり信用の置ける若手
女優とされているようだが、その新作にはちょっと変わった
題材を選んできたものだ。
主人公は読書好きで、小説に描かれたような恋愛に憧れる女
子高生。ところがある日のこと、彼女の脳天を暴投のボール
が直撃。失神した彼女が目を覚ますと、そこには野球部の新
人エースがすまなそうに立っていた。
その姿に突然の恋心が芽生えた主人公だったが、新人エース
には恋のライヴァルも多い。そのため折角書いたラヴレター
も渡せない彼女は、一念発起、部員1名で廃部寸前となって
いた応援団に入団。彼を近くから応援しようとするが…
彼女の努力で団員も揃い廃部を免れた応援団は、早速野球部
の練習試合から応援を開始。ところが、元々が不純な気持ち
の応援ではろくなことになるはずはなく、相手チームの応援
団はおろか、母校の野球部からも二度と応援に来ないでくれ
と言われてしまう。
しかし、彼女たちを鍛えるべく応援団のOBたちが立ち上が
り、ゴールデンウィークの特別合宿が開始される。だがそれ
は地獄の特訓…。しかもその時、彼女は自分が応援すべき目
標を見失い始めていた。
いろいろなことに思い悩むのが青春なら、この作品は見事に
その青春の悩みを描いているものだ。その悩みは、大人の目
から観れば他愛ないものかもしれないが、でもそんなことに
悩むのが青春というものだろう。
と言うことで、本当なら大の大人が感動するような作品では
ないはずなのだが、実は自分がJ2のサッカーチームを応援
していたりすると、正にこの主人公と同じ気持ちの自分に気
づくことがあり、何故か突然に胸に迫ってきた作品だった。
脚本は、『忍たま乱太郎』などの橋本裕志、監督は『となり
町戦争』などの渡辺謙作。
スポーツに限らず何かを応援している人には、いろいろな意
味で自分のしていることへの意義を感じさせてくれる作品。
そんな気持ちを素直に楽しむことのできる作品だ。
『ゲット・スマート』“Get Smart”
1960年代後半に5年間に渡って放送され、日本でも人気のあ
ったTVシリーズ『それ行けスマート』の映画版リメイク。
オリジナルでドン・アダムスが演じたエージェント86号こと
マックスウェル・スマートを、『奥様は魔女』のスティーヴ
・カレルが演じ、エージェント99号には『プリティ・プリン
セス』のアン・ハサウェーが扮している。
また、チーフ役にはアラン・アーキン。この他、ドウェイン
“ザ・ロック”ジョンスンやテレンス・スタンプ、ジェーム
ズ・カーン、ビル・マーレイ、TV『ヒーローズ』で人気の
日本人俳優マシ・オカらが共演。
因に、マシ・オカはブルースという特殊装備担当者の役で登
場するが、その相棒はロイドという名前で、この2人の名前
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07月06日(日)
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