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On the Production
by 井口健二
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■第162回
        *         *
 お次はイヴェント及び記者会見の報告で、まずは6月29日
に東京ドームで、『スピード・レーサー』のIMAXによる上映
が行われた。
 この会場には、何と縦17.5m×横40mのスクリーンが設置
され、そこにIMAX変換された作品が上映されたものだ。その
迫力は、スタンド席から観ていても相当のものだったが、考
えてみたら、IMAXは70mmフィルムを使っているもので、昔は
都内にも何館も70mmの上映館があったことを思うと、ちょっ
と感慨に耽る気持ちにもなった。もちろんこれほどの巨大ス
クリーンではなかったが、70mmにはその実力があったのだ。
 しかもこの日のスクリーンは、ほぼ1:2.2の縦横比になっ
ているもので、これは基本的な70mmの比率に近いものでもあ
るから、通常のIMAX館での上映よりも70mm映画の上映という
感じがした。まあ、音響はエコーが強くて少々芳しくなかっ
たが、大画面の映像は満足できるものだった。
 という上映会の翌日には、主演のエミール・ハーシュと、
吹き替え担当の赤西仁、上戸彩による記者会見が行われた。
 俳優だけの記者会見では、僕は基本的にあまり質問事項は
ないのだが、ハーシュは9月に『イントゥ・ザ・ワイルド』
も公開されるので、グリーン・スクリーンの前での撮影と、
大自然の中での撮影とどちらが大変か聞いてみた。その答え
は、「自然の中での撮影は大変なことも多いけど、森を観た
り、星空を眺めたり、癒しの効果もある。それに比べるとグ
リーンスクリーンは、精神的なエネルギーを吸い取られるよ
うな感じで苦痛だった。今後は寝室の壁をグリーンに塗るこ
とはできないと思う」というもので、緑色は目に良いなんて
言われるが、過剰になるとそうではなかったようだ。
 因に僕の質問はないが、他の日本アニメが実写化されたら
主演したい作品はあるかという質問に、赤西が「『ワンピー
ス』が好きなので、どんな役でもやりたい」と言っていたの
が面白そうだった。
 以下は、製作ニュースを紹介しよう。
        *         *
 まずはリメイクの計画で、続報がいくつか届いている。
 その最初は、2006年5月15日付の第111回で紹介した“Red
Sonja”の計画で、ヌ・イメージス/ミレニアムで進められ
ているリメイクの製作にロベルト・ロドリゲス、主演ローズ
・マッゴワンの参加が発表された。
 ロバート・E・ハワード原作、マーヴェルコミックスでも
人気を博したこのキャラクターは、1985年にリチャード・フ
ライシャー監督、主演ブリジット・ニールセン、共演アーノ
ルド・シュワルツェネッガーでの映画化がある。今回はその
リメイクとなるものだが、監督には、『レジェンド・オブ・
メキシコ』などの第2班監督を務めたダグラス・アーミオコ
スキーが起用され、デイヴィッド・N・ホワイトの脚本によ
る撮影は10月に開始という計画だ。
 因に、『プラネット・テラーinグラインドハウス』でコラ
ボレートしたロドリゲスとマッゴワンは、2007年10月15日付
第145回で紹介した“Barbarella”のリメイクも狙っている
ものだが、実はマッゴワンの主演ではまだ弱いという意見が
会社側にあって計画が頓挫している。従って今回の計画は、
これを足掛かりに“Barbarella”のリメイクも実現させよう
という意図もあるように感じられ、成功を祈りたいものだ。
        *         *
 お次も、2006年5月15日付第111回などで紹介した“Clash
of the Titans”の計画で、ワーナーで進められているこの
計画に、新たに『インクレディブル・ハルク』でハリウッド
進出を果たしたルイ・レテリエ監督の参加が発表された。
 オリジナルは1981年にレイ・ハリーハウゼンの最後の作品
として公開されたもので、物語は、ゼウスの息子ペルセウス
が、女神アンドロメダの愛を勝ち取るために幾多の試練に立
ち向かって行くというもの。その試練として、天馬ペガサス
の捕獲や蛇の頭髪を持つメデューサとの闘いなどが、人形ア

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07月01日(火)
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