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On the Production
by 井口健二
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■Movie-High 8、愛流通センター、コドモのコドモ、Made in Jamaica、《a》symmetry、ストリート・レーサー、Sex and the City
なおこの投稿サイトは、当初から映画化を目指して設定され
ていたそうで、その映画化が大手芸能プロダクションの協力
で実現したものだ。本作はその第1回作品とされている。
物語は、現在彼氏なしの女子高生が主人公。実は以前につき
あっていた彼氏には、今でも「やり直そう」とメールをして
いたが、彼氏からは返信が無いままだった。
そんな彼女はいつも神社で、「本当の愛が見つかりますよう
に」と願っていたが…。その彼女の携帯電話に、突然「愛流
通センター」と称する勧誘メールが届く。しかも誤って登録
してしまった彼女の許に、稲羽と名告る人の良さそうな営業
マンが現れた。
稲羽は彼女に「失った愛はすぐ取り戻せる」と説明するが、
半信半疑の彼女は直ぐには理解できない。しかし説得されて
稲羽の指示通りのメールを彼氏に送ってみると、何と彼氏か
らいきなりOKの返事が来てしまう。
こうして失った愛を取り戻した主人公だったが、それは彼女
の昔からの親友の愛を奪うことになってしまう。
原作者は執筆当時は10代の女性だそうだ。基本的には他愛な
い話ではあるが、ケータイストラップで相手の気持ちを察す
るなど、今の若者の視点がいろいろ取り入れられていて、そ
ういった点でも興味深い作品だった。
それに本作は、SFとまでは言わないがかなりファンタシー
の要素が強い物語で、それが今の若者にどんな風に受け入れ
られるのか、その辺にも興味を引かれるところだ。なお脚本
は、『アクエリアンエイジ』などのなるせゆうせいが担当し
ている。
実は、稲羽(イナバ)の名前が兎、先輩がサルタヒコ、上司
がスサノオといった具合で、大体その意味は見当が付くもの
だが、ちょっと『ベルリン天使の歌』のような趣があったり
もして、映画ファンとしてもそれなりに楽しめた。
その稲羽の役を、2007年『シルバー假面』などの水橋研二が
良い感じで演じている。
主演は足立梨花。昨年のホリプロスカウトキャラバンのグラ
ンプリ受賞者だそうだ。また、共演の前田公輝、入来茉里ら
もホリプロ所属の新人タレントとのことで、それを応援して
同プロの大物たちもゲスト出演で作品を賑やかしている。
その辺が、あまりこれ見よがしでなく扱われているのも、悪
い感じはしなかった。
ただし、エンディングの主題歌も同じホリプロ所属の森翼が
担当しているが、できたらここにはバンドをやっている設定
の主人公たちの歌も聞きたかった。それは物語の復習にもな
るし、主人公が一所懸命に書き上げた歌詞の歌が欲しかった
ところだ。
でもまあ、出演者の演技などはあまり気にならなかったし、
この線で頑張ってくれれば、この企画は今後もそれなりに楽
しめそうだ。

『コドモのコドモ』
小学5年生女子の妊娠・出産というセンセーショナルな内容
を描いた作品。
双葉社刊「漫画アクション」に2004年5月から05年7月まで
連載されたさそうあきら原作のコミックスの映画化。
実はこの発表媒体名などからは、かなり興味本位の作品を予
想してしまった。正直なところは、「そんな作品だったら嫌
だな」とも思いながらも試写会に向かったものだ。
しかし作品には、特殊だが絶対に無いとは言い切れないシチ
ュエーションの中で、大人と子供、特に子供たちが精一杯の
努力を繰り広げる見事なドラマが描かれていた。
主人公は、ちょっと勝ち気な感じの11歳の少女春菜。そんな
春菜は、内気でいじめられっ子のヒロユキをいつも庇ってい
た。そんな2人は校外でも一緒に遊ぶことがあったが、そん
な遊びの一つが「くっつけっこ」だった。
そんな2人もいるクラスの担任は、以前は東京の進学校にい
たという八木先生。進歩的な考えの先生はクラスで性教育の
授業を始めるが、周囲からは快く思われていない。ところが
その授業の中で、春菜は重大なことに気付いてしまう。
一方、春菜の姉の友達が妊娠中絶するという騒ぎが起こり、
春菜は自分の妊娠を真剣に考えなければならなくなる。しか
し、いろいろな騒ぎの中で家族や周囲の関心は彼女に向けら

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06月14日(土)
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