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On the Production
by 井口健二
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■第160回
公開の『コレラの時代の愛』などのマイク・ニューウェル。
文芸作品の演出が続いた監督に、ゲームの映画化は期待した
いところだ。また、相手役には『007』の新作にも出演し
ているジェマ・アータートン、さらにベン・キングスレー、
アルフレッド・モリーナらの共演も発表されている。撮影は
7月開始、公開は来年夏の予定だ。
 因に『ゾディアック』でも注目されたジレンホールだが、
以前はインディーズ系の人気スターという感じが強かった。
しかし、2004年の『スパイダーマン2』製作時には、撮入直
前に負傷したトビー・マクガイアに代って主演が噂されたこ
ともあり、スーパーヒーロー役もおかしくはない。お姉さん
のマギーも“The Dark Knight”に登場したところで、そろ
そろ姉弟揃ってのブレイクを期待する時期のように思える。
この作品がその切っ掛けになれば素晴らしいことだ。
 なお原作のPCゲームは、1989年に第1作が発表され、以
来傍系作品を含めて6作以上が発表されているもので、ディ
ズニーでは映画版のシリーズ化も期待しているとのことだ。
        *         *
 14年前に計画が発表されて以来の懸案となっていたパオロ
・コエーリョ原作“The Alchemist”の映画化が、TWCを
率いるハーヴェイ・ワインスタイン自らの製作により進めら
れることが発表された。
 この作品については今まで紹介のチャンスがなかったもの
だが、原作の物語は、スペイン人の若者がエジプトのピラミ
ッドに隠された財宝を追跡するというもの。原作本は1988年
に発表以来、世界150ヶ国で出版され、累計で4000万部以上
が発行されているとのことだ。
 その映画化の計画は、14年前にワーナーで始められたが実
現せず。その後は俳優のローレンス・フィッシュバーンが、
インディーズ系のAマーク社と共同で権利を買収して、彼の
監督主演で計画。しかしこれもなかなか進まなかった。その
計画に今回はワインスタインが参画したもので、6000万ドル
とされる製作費はTWCが全額負担するとしている。
 またワインスタインは発表の中で、「西洋と中東との懸け
橋となる作品。原作は中東でも成功を納めているものだが、
西洋人はもっと中東を知らなくてはいけないし、懸け橋をさ
らに伸ばさなければいけない」として、この映画化の意義を
語っているものだ。
 なお、監督はフィッシュバーンがそのまま担当する予定だ
が、脚本には新たにオスカー受賞者の起用が考えられている
そうだ。また撮影は、スペイン、ヨルダン、モロッコ、エジ
プト、アブダビなどで行うとしている。因に以前の計画では
1億ドル以上掛かると言われていたこともあったようだが、
VFXの発達でこの種の作品の製作費が軽減されているとい
う状況もあるようだ。
        *         *
 1994年に映画化された『依頼人』などの作家ジョン・グリ
シャムによる最新ベストセラー小説“Playing for Pizza”
の映画化権が、7桁($)の金額で契約された。
 契約したのはマイク・メダボイ主宰のフェニックス・ピク
チャーズ。物語は、アメリカンフットボール(NFL)のベ
テラン選手が引退後にイタリアのセミプロチームに招かれる
というもので、正にタイトル通りのお話になりそうだ。
 グリシャムといえば、1993年映画化の『ザ・ファーム』か
ら2003年映画化の『ニューオーリンズ・トライアル』まで、
法廷/弁護士ものが有名で、特に1996年に映画化された『評
決のとき』では映画化権料が600万ドルで契約されるなど、
破格の契約金でも話題になっていた。
 その新作の内容は上記のものということで、従来のテーマ
からはちょっと外れている気もするが、それでもこの金額の
価値があるのだそうだ。因に契約したメダボイは、1988年に
ケヴィン・コスナーが主演した『さよならゲーム』のような
ハートに訴える作品になるとしている。
 しかしその一方で、通常6桁の原作料に対して、今回の契
約は「高過ぎる」という意見は依然根強いようで、これから

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06月01日(日)
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