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On the Production
by 井口健二
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■今日という日が最後なら、カスピアン王子、イントゥ・ザ・ワイルド、落下の王国、スピード・レーサー、8½、帰らない日々、BUG
しかし、そこには子供たちの一途さも描かれていて、第1作
を観てから少し成長した子供たちには格好の物語となってい
る。
そして物語は、人間とナルニアの住人たちとの決戦へと発展
するが、その闘いのシーンは第1作を倍加する迫力で描かれ
る。特に人間たちの繰り出す大型兵器の威力が見事に映像に
なっていた。
出演は、前作の4人の子供たちは揃って再登場し、それに加
えて本作からカスピアン王子が新登場する。演じるベン・バ
ーンズは1981年生まれ。舞台出身とのことだが、その凛々し
い立ち姿などは、まさに王子という感じがするものだ。
その他に、CGIが駆使された動物たちの新キャラクターも
いろいろ登場して、物語を賑やかしている。また、木や水の
精霊たちや意外な人物の登場もうまく描かれていた。
なお、物語はカスピアンと子供たちが活躍する“The Voyage
of the Dawn Treader”へとの継続し、新たにマイクル・ア
プテッド(007/ワールド・イズ・ノット・イナフ)の監
督で製作される第3作は、2010年5月の公開予定となってい
る。

『イントゥ・ザ・ワイルド』“Into the Wild”
1992年の夏にアラスカの荒野で遺体となって発見されたクリ
ストファー・マッカンドレス。当時24歳の若者は何故そこで
死んでいたのか。その謎を追った実話に基づく原作の映画化
を、10年越しで権利を獲得した俳優のショーン・ペンが、自
らの脚色監督で実現した。
オスカー受賞俳優でもあるペンは、監督としては既に1995年
の『クロッシング・ガード』と、2001年『プレッジ』を手掛
けている。しかしこれらの作品は、『プレッジ』の題材は多
少風変わりではあったが、いずれもオーソドックスな手法に
よるドラマだった。
それが今回は、主人公の荒野での苦闘を描きながら、それま
での旅の様子がいわゆるロードムヴィ形式で順番に描き出さ
れて行くもので、かなりのテクニックも駆使された作品。し
かも、これには監督のこだわりもあるのだろうが、ほとんど
が現地に赴いて撮影されているのも見所という作品だ。
主人公のクリスは裕福な家庭に育ち、大学もオールAの優秀
な成績で卒業。しかし両親の喧嘩の絶えない家庭に絶望して
いた彼は、「名誉も金も要らない、欲しいのは真理だ」とし
て家を出て行く。映画は、そこからアラスカで発見されるま
での軌跡を追って行く。
その放浪の旅で訪れる場所は、カリフォルニア州が主だが、
アリゾナからサウスダコタ、コロラド川からメキシコにまで
及んでいる。そしてこれらの見事に美しい舞台の中で、それ
ぞれの素晴らしい物語が展開されて行く。そこには愛や友情
や信頼が描かれる。
しかもこれらのドラマが、全く違う風景の中で、全く違うシ
チュエーションで描かれるのも見事な構成で、その脚本の素
晴らしさと、さらに1つ1つシーンが丁寧に演出されている
のにも、観ていて感動を覚えた。
出演は、クリス役に今夏の大作『スピード・レーサー』にも
主演しているエミール・ハーシュ。彼の母親役にマーシャ・
ゲイ・ハーデン、父親役にウィリアム・ハート、妹役には、
『コンタクト』などのジェナ・マローンが扮してナレーショ
ンも務めている。
また、それぞれの場所で出会う人々には、『カポーティ』の
キャサリン・キーナー、『ブラザー・サンタ』のヴィンス・
ヴォーン、『パニック・ルーム』のクリスティン・スチュワ
ート、それに本作でオスカー候補になったハル・ホルブルッ
クらが配されている。
上映時間は148分という長尺の作品だが、観ている間は全く
飽きさせることがなかった。それに、最後は体重を18キロ落
として撮影に臨んだというハーシュの頑張りにも注目したい
作品だ。

『落下の王国』“The Fall”
2000年の『ザ・セル』で衝撃的な映画監督デビューを果たし
たMTV及びCF監督のターセム・シンによる劇場用映画の
第2作。2006年の作品。
ターセムは、この他にホームページ2004年2月1日付で紹介
した“Nautica”や、2005年8月15日付紹介の“Westworld”

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05月18日(日)
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