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On the Production
by 井口健二
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■第159回
まずは続報で、2007年3月15日付第131回で一度紹介した
ブライアン・セルズニック原作の児童向けファンタジー小説
“The Invention of Hugo Cabret”の映画化に、2002年公開
『アイス・エイジ』を手掛けたクリス・ウェッジ監督の起用
が発表された。
そしてワーナーで進められているその製作に、ジョニー・
デップ主宰のプロダクション=インフィニタム・ニヒルが製
作会社として参加することも発表されている。
原作の物語は、1930年代のパリの鉄道駅を舞台に、父親の
跡を継いで駅舎の時計の修理を担当している少年が、不思議
な事件に巻き込まれるというもの。そこには父親の遺した壊
れたロボットなども登場するというものだ。そしてこの原作
に対しては、今年1月に発表されたアメリカ図書館協会選定
の児童文学賞で、ニューべリー賞の絵本部門に相当するコル
デコット賞も贈られた。
因に、この賞では、過去にディズニーが中編アニメ化した
“The Little House”や、すでに映画化された“Jumanji”
“The Poler Express”、さらにスパイク・ジョーンズ監督
による映画化が来年公開予定になっている“Where the Wild
Things Are”なども受賞しているものだ。
その原作を、今回の映画化では『スウィニー・トッド』な
どのジョン・ローガンが脚色。以前の報告では、マーティン
・スコセッシの監督が予定されていたものだが、これは前回
も報告した諸般の事情で交替になったようだ。
なお新たに監督に決ったウェッジは、1998年度のオスカー
短編賞を受賞、長編作品では2005年『ロボッツ』の監督も手
掛けているが、いずれもアニメーションだったもので、今回
は初めて実写映画を監督することになる。
現時点でジョニー・デップの出演があるかどうかは不明だ
が、主人公の少年役には注目が集まりそうだ。
* *
ついでにジョニー・デップ関連の話題で、彼の出世作とも
言える日本未放映のテレビシリーズ“21 Jump Street”を、
劇場版リメイクする計画がコロムビアから発表された。
オリジナルは、1987年から91年まで5シーズンに亙って製
作されたもので、内容は、若い警官が学園に蔓延する青少年
犯罪を防止するために、最初は高校生となって潜入捜査に従
事するというもの。5シーズン続いた後半では、主人公は大
学生になっていたようだ。
その物語を、昨年大ヒットしたコメディ作品“Superbad”
のジョナー・ヒルの脚本主演でリメイクする計画で、製作は
『スティルス』などのニール・モリッツが担当している。因
に、ヒルは全米公開中の“Forgetting Sarah Marshall”や
“This Side of The Truth”などにも出演しているが、いず
れもコメディ作品とのことで、本作もコメディ化される可能
性は高そうだ。
しかしながらコメディ作品は、アメリカで大ヒットしても
なかなか日本では公開されず、その辺の状況も何とか打破し
て貰いたいものだ。因に今回の製作には、テレビシリーズ当
時の製作者も名を連ねており、これでデップがカメオ出演で
もしてくれると、日本公開の可能性も高まるのだが…
* *
お次は、メル・ギブスンによる2002年の『サイン』以来と
なる主演作の計画が発表された。
計画されているのは“Edge of Darkness”という作品で、
内容は、活動家の娘を殺害された警官がその死の謎を追って
行く内に、組織的な汚職事件を解明することになる…という
もの。ギブスンは娘を殺された警官役を演じる。
作品は、1985年にBBCで製作されたミニシリーズを原作
とするもので、そのオリジナルも手掛けた『カジノ・ロワイ
ヤル』などのマーティン・キャンベルが映画版も監督。脚本
には『デパーテッド』でオスカー受賞のウイリアム・モナハ
ンが起用されている。また製作も、『デパーテッド』のグラ
ハム・キングが担当するものだ。
因に、ギブスンは原作ミニシリーズの大ファンだったのだ
そうで、キングとキャンベルからのオファーには二つ返事で
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05月15日(木)
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