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On the Production
by 井口健二
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■近距離恋愛、ビルと動物園、カンフー・ダンク、マーキュリーマン、シティ・オブ・メン、ラストゲーム
のだろうか…とも思ってしまう。
結局、僕にはこの登場人物たちの心情などは、正確には理解
できていないのだろうなと思いながらも、何となく青春の一
途さみたいなものは、この映画の中に良く描かれていたので
はないかとは思えたところだ。
正直には、最近の映画では、渋谷や新宿辺りを舞台にしたこ
れが本当に今の若者の姿なのか…?と思ってしまうようなも
のも観てきた目には、この純粋さはほっとするところでもあ
ったし、本当はこうであって欲しいとも思ったところだ。
『カンフー・ダンク』“功夫灌籃”
『頭文字D』『王妃の紋章』のジェイ・チョウ、『暗いとこ
ろで待ち合わせ』のチェン・ポーリン、『ツインズ・エフェ
クト』のシャーリン・チョイの共演で、バスケットボールを
題材にしたVFXアクションコメディ。
主人公は、赤ん坊の時にバスケットコートの傍に捨てられ、
その後はカンフー学校で育てられたが、ある出来事から破門
させられる。しかし、飲料の空缶を遠くのごみ箱に投げ入れ
るコントロールの良さを見いだされ、エージェントの差し金
で大学のバスケ部にスカウトされることになるが…
スポーツを題材にしたVFXアクションコメディというと、
周星馳(チャウ・シンチー)の『少林サッカー』が思い浮か
ぶところだが、基本的に題材にされるスポーツのルールが尊
重されていないと観ていて白けてしまうものだ。
その点、この作品ではチョウが以前からバスケットが好きだ
ったとのことで、それなりにしっかりと作られている感じが
した。それにゲームの決着の付け方に関しても、ちょっとし
たセオリーもあってうまく考えられていたものだ。
しかも、そこにSF的な要素が付けられていたのは、単純な
VFXアクションだけでは先行作を越えられないとの判断も
あったのだろうが、それはかなり強引ではあるもののそれな
りの辻褄は合っていて、ファンとしては楽しめたところだっ
た。
ただ、『少林サッカー』は人間ドラマなどどこ吹く風で、そ
れはそれで良かったが、本作はそれなりに人間ドラマを作っ
ているのが、逆にその部分が多少物足りない感じがして、ち
ょっと勿体無くも感じられた。
特に、エリック・ツァンが演じるエージェントとの関係は、
お互いにそこまで思い入れる理由付けがもう少し明白にあれ
ば、多分感涙ものになったと思うのだが…。何かそれをした
くないという意識でも働いたのだろうか。
バスケットボールのコミックというと、昔はハーレムクラウ
ンズなんていう実演チームの来日パフォーマンスを観たこと
もあるが、VFXではこんなパフォーマンスも実現できてし
まう。そんなド派手なパフォーマンスが観られるのも面白い
ところだった。
『マーキュリーマン』“มนุษย์เหล็กไหล ”
以前に紹介した「タイ式シネマ・パラダイス」とは別口で公
開されるタイ映画。
2004年『マッハ!』、2007年『ロケットマン』などのパンナ
ー・リットグライがアクション監督を務めるタイ映画初(?)
のスーパー・ヒーロー作品。古来から伝わる「太陽の護符」
を体内に納めた主人公が、金属と炎を操るマーキュリーマン
となって活躍する。
古来から伝わる「太陽の護符」と「月の護符」。その2つが
合わさると途轍もない力が発揮されるという。その「月の護
符」が、アメリカへの無差別テロを企むテロリストの手でチ
ベットの密寺から強奪される。
一方、ある偶然から「太陽の護符」を体内に納めることにな
った主人公は、「月の護符」を追ってきた守護者の女性から
その脅威の力を教えられる。しかし、それを自分の力として
コントロールするためには、彼自身も修業を積まなくてはな
らなかった。
こうして修業が始まるが、その間にもテロリストの魔手は、
徐々に主人公と彼の家族に迫っていた…という展開で、主人
公とテロリストとの死力を尽くした闘いが描かれる。そして
その闘いのメインとなるのがムエタイなどの格闘技、という
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05月11日(日)
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