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On the Production
by 井口健二
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■第158回
 そして本作のヒロイン役に、2006年の『ミュンヘン』や、
今春公開された『バンテージ・ポイント』にも出演のイスラ
エル人女優アイェレット・ゾラーの起用が発表された。因に
このヒロインの配役には、一時はナオミ・ワッツが発表され
ていたが、脚本家ストライキによる製作の遅れでスケジュー
ル調整ができなくなったとしてキャンセルされていた。
 さらに、教授の協力者の役でユアン・マクレガーの共演も
発表されたようだ。
 現状では、物語がPrequelになるのか、それともSequelな
のかも明らかにされていないが、それとは別にハンクスが、
前作と同じ髪型で登場するかどうかも注目になりそうだ。全
米公開は2009年5月15日に予定されている。なおコロムビア
が所有する映画化権は、原作者との間でシリーズ第3作まで
契約されているものだ。
        *         *
 キリスト教に絡む題材の作品が目に付くが、お次は16世紀
初めに興った宗教改革を背景にしたアクション・アドベンチ
ャーの計画が発表された。
 この計画は、ハヴィエル・ロドリゲスが執筆したオリジナ
ル脚本“The Heretic”に基づくもので、その映画化権を、
『ゾディアック』などのフェニックス・ピクチャーズが契約
している。
 物語は、元司祭だったが墜ちて殺し屋となった主人公が、
ローマ大司教の密命を受けて、宗教改革の旗手だったドイツ
の神学者マルティン・ルターの暗殺に向かうというもの。因
に史実によればルターは62歳まで生きているので、物語では
その暗殺未遂に絡むいろいろな裏事情が描かれることになる
ようだ。
 監督やキャスティングは未発表だが、フェニックスでは、
タイミング的に今が題材の旬と考えているようで、映画化は
緊急に進めるとしている。16世紀は、いわゆるルネッサンス
時代ということでもあり、出来たらその時代の文化の再現も
楽しめる作品にして欲しいものだ。
 なおフェニックスでは、2007年11月1日付第146回で紹介
したレオナルド・ディカプリオ主演、マーティン・スコセッ
シ監督によるミステリー作品の“Shutter Island”が撮影中
の他、ジョン・キューザック、渡辺謙、コン・リー共演で、
1941年の中国本土を舞台にしたアクション作品“Shanghai”
の撮影が近日中に開始の予定になっている。
        *         *
 『ジェシー・ジェームスの暗殺』でオスカー候補になった
ケイシー・アフレックが、今度は同作で製作を務めたリドリ
ー・スコットの監督作品に主演する計画が発表された。
 作品は、2000年にサム・ライミ監督で映画化されたホラー
・ミステリー『ギフト』も手掛けた脚本家のトム・エパーソ
ンが、今年1月に小説として発表したもので、題名は“The
Kind One”。1930年代のロサンゼルスを舞台に「親切な奴」
というニックネームで呼ばれた記憶喪失の殺し屋と、彼が恋
した女性の物語とのことだ。
 記憶喪失ものは、次から次へとブームのようになっている
感じだが、この計画については、『ジェシー…』も担当して
本作の共同製作も務めるジュールス・デリーから、「今まで
リドリーが手掛けたことのない題材なので、彼がどう料理す
るか楽しみ」という発言もあって、いろいろ興味深い作品に
なりそうだ。
 なお、リドリー・スコットの監督作品では、レオナルド・
ディカプリオとラッセル・クロウ共演で、イラク戦争を背景
にCIAの活動を描く“Body of Lies”が、既に撮影を完了
して今秋ワーナーから公開予定になっている。それにしても
ディカプリオは、次々に出演作が続くようだ。
        *         *
 『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』に
も出演のシャイア・ラブーフが、ユニヴァーサルで進められ
ている“Dark Fields”というテクノスリラー作品に主演す
ることが発表された。
 作品は、アラン・グリンという英国作家が2001年に発表し
たデビュー作に基づくもので、原作には「ブレイン・ドラッ

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05月01日(木)
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