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On the Production
by 井口健二
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■桃まつり真夜中の宴、フィクサー、燃えよ!ピンポン、アメリカを売った男、ブラブラバンバン、NAKBA、王妃の紋章
護士たちの物語、その内情が克明に紹介される。父親も監督
・脚本家のギルロイは、根っからの映画人のはずで、その彼
がどこからこの物語を思いついたのか判らないが、映画的に
実に面白く描かれていた。
実際にこのようなことが行われているか否かは判らないが、
あるかも知れないと思わせる展開は巧みで、正に映画を観た
という感じのする作品。その意味では存分に楽しめた。主人
公の周囲でいろいろ偶然が重なったりする部分はあるが、そ
れはそれというところだ。
それから、物語の中で主人公の息子が『王国と征服』と題さ
れたファンタシー小説を読んでおり、その内容もいろいろ紹
介される。これがかなりしっかりと設定も作られていたよう
で、監督には将来的にその映画化も期待したくなった。
その他、登場する企業のコマーシャルフィルムなどもちゃん
と作られており、いろいろ凝った作品になっている。
『燃えよ!ピンポン』“Balls of Fury”
今年はオリンピックイヤーということで、それに絡めてのス
ポーツコメディ。
ハリウッド映画のスポーツというと、野球やフットボール、
ホッケー、バスケットボールなどはありそうだが、個人戦で
はテニスがある程度のようだ。ましてや卓球となると、ほと
んど無く、プレス資料には『フォレスト・ガンプ』が挙がっ
ているだけだった。
因にデータベースで調べてみると、1970年『ファイブ・イー
ジー・ピーセス』や、2001年『ブロンドと柩の謎』なども挙
がっているが、どちらも観てはいるがそのシーンが記憶にな
い。なお、昨年アメリカでは大ヒットした“Knocked Up”も
挙がってきたが、さてどんなものなのだろう。
そんな卓球は、1988年のソウルオリンピックで正式種目とな
ったとのことで、本作の主人公は、弱冠12歳でそのアメリカ
代表に選ばれたという天才卓球選手。ところが、準決勝での
アクシデントで棄権とされ、メダルに手が届かなかった。
それから20年、ラスヴェガスの場末でマチネのショウに出て
いる主人公の許にエージェントが現れる。そのエージェント
は、裏社会で開かれている卓球世界選手権への出場を彼に求
めてくる。それは20年前、彼の父親の命を奪った男が主催し
ているものでもあった。
ところが、20年を経た主人公は華麗な技も錆付き気味。そこ
で中華街に住む伝説の師匠の許で卓球の極意を学び直すこと
になるが、そこには魅力的な女性の師範代がいて…
主演は、2005年のトニー賞で新人賞を受賞、映画の次回作で
はアルフレッド・ヒッチコックを演じる予定という注目の若
手ダン・フォグラー。共演は、『ヘアスプレー』のクリスト
ファー・ウォーケン、『シャークボーイ&マグマガール』の
ジョージ・ロペス、『M:i:III』のマギー・Q、『慕情』な
どのジェームズ・ホン。それにTV『ヒーローズ』で人気の
マシ・オカがゲスト出演している。
脚本は、『ナイト・ミュージアム』や、ヴィン・ディーゼル
主演『キャプテン・ウルフ』などのロバート・ベン・ガラン
トとトーマス・レモン。ガラントは、本作で監督デビューも
しているものだ。レモンは東ドイツ選手役で出演。
マギー・Qの華麗なカンフーアクションが展開されたり、負
けると泣き出す東洋人の少女卓球選手が出てきたり、アジア
の観客には受けそうな要素もいろいろ織り込まれている。そ
れにウォーケンも含めた出演陣が、実に楽しそうに演じてい
るのも良い感じの作品だった。
日本映画の『ピンポン』と同様、CGIを多用した作品で、
その辺に多少被るところはあるが、その他の要素もいろいろ
取り入れて、全体的にハリウッド映画らしい作品に仕上げら
れている。ピンポンの魅力も理解される日本では、アメリカ
以上のヒットを期待したいところだ。
『アメリカを売った男』“Breach”
2001年2月18日、「アメリカ合衆国史上最悪の情報災害」と
呼ばれたロバート・ハンセンFBI捜査官逮捕に至る2カ月
間の捜査を描いた実話に基づく作品。
FBIの訓練捜査官エリック・オニールは、正式捜査官を目
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02月03日(日)
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