ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460302hit]
■第150回
一方、『ホビット』の監督にも取り沙汰されているサム・
ライミ監督に関しては、次回作の“Drag Me to Hell”で、
久々に彼のルーツであるホラー映画のジャンルに戻って来る
ことが発表された。
この作品の内容は、超常現象を扱ったものとしか報告され
ていなかったが、実は兄のアイヴァンとの共同で執筆された
脚本は、1992年の“Evil Dead 3”(キャプテン・スーパー
マーケット)の頃にすでに完成されていたものとのことで、
元々は“The Curse”という題名の付けられた“Evil Dead”
シリーズにも繋がる恐怖満載の作品だそうだ。
因に監督は、自らの主宰でゴーストハウスというジャンル
映画プロダクションを設立して、アメリカ版の『呪怨』シリ
ーズや、パン兄弟監督の『ゴースト・ハウス』なども手掛け
ているが、今回は初めてそのプロダクションで「ライミ監督
作品」が製作されることになる。
またゴーストハウス社では、スティーヴ・ナイルズ原作・
脚本、デイヴィッド・スレイド監督、ジョッシュ・ハートネ
ット主演によるコミックスの映画化“30 Days of Noght”が
2007年10月に全米公開された他、ライミ監督の出世作となっ
た1981年“Evil Dead”(死霊のはらわた)のリメイクを準
備中とのことだ。
なお、今回報告された作品の撮影は、2008年早期に予定さ
れているが、配給会社は未定とのこと。そして監督は、この
作品の後に“The Hobbit”に入る体制を整えているとの証言
も報告されていた。
* *
ここからは、少しだけ一般映画の情報を紹介する。
まずは前々回にブラッド・ピットの降板(ラッセル・クロ
ウが代演する)を報告した“State of Play”から、さらに
エドワード・ノートンも離脱することが発表された。
その理由に関しては、ノートンが自ら製作も担当している
コメディ作品“Leaves of Grass”の撮影が重なったためと
発表されているが、ユニヴァーサルが親友のピットを訴える
としたことも原因ではないかと噂されているようだ。
そしてその代役には、ベン・アフレックが発表された。ア
フレックは、『ハリウッドランド』にジョージ・リーヴス役
で主演した後は、初監督作品の“Gone Baby Gone”を手掛け
ていたために少し間が開いていたが、すでに脇役作品1本に
出演し、実現すれば主演復帰作となるものだ。
一方、先に降板したピットには、テレンス・マリック監督
作品“Tree of Life”への出演が噂されている。この作品で
ピットは、先に降板したヒース・レジャーへの代演となる。
因にピットは、“State…”での出演料は2000万ドルだった
が、“Tree…”では金額が明記されていないそうだ。ただし
この計画では、共演のショーン・ペンが、ガス・ヴァン・サ
ント監督の“Harvey Milk”にも関っていて、どちらを撮る
かという状況もある。
まさに玉突き状態という感じだが、いずれにしても脚本家
に続いて、夏には俳優(SAG)、監督(DGA)の参戦も
予定されるストライキのお陰で映画の都は大混乱のようだ。
* *
お次はテレビからの映画化で、1983−87年にジョージ・ペ
パード主演で製作されたアクションシリーズ“The A-Team”
(特攻野郎Aチーム)の映画版がジョン・シングルトン監督
で進められることになった。
オリジナルは、ヴェトナム戦争を背景に、極秘の特殊任務
に従事する多彩なメンバーの活躍を描いたもの。そして今回
の映画化では、オリジナルでMr.Tが演じた副主人公のBA役
に、監督のデビュー作『ボーイズ'ン・ザ・フッド』に主演
したアイス・キューブの出演も噂されている。
また物語も、ヴェトナム戦争からイラク戦争を背景にした
ものにアップデイトされ、石油の利権を巡っての特殊任務が
遂行されることになるようだ。製作は、オリジナルも手掛け
たスティーヴン・J・キャネルが担当している。製作会社は
フォックス。ただし会社としては夏のSAG/DGAのスト
ライキ前の計画進行はないとしているものだ。
[5]続きを読む
01月01日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る