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On the Production
by 井口健二
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■モーテル、ルイスと未来泥棒、ヒッチャー、肩ごしの恋人、PEACE BED、全然大丈夫、真・女立喰師列伝
を写し出す記憶スキャナー。それで自分を置き去りにしたと
きの母親の顔を写し出そうと考えたのだ。ところが、その実
験を妨害する奴が現れる。それは未来から来た泥棒だった。
一方、ルイスの危機を助けるため、未来から来たと自称する
少年も現れるが…こうして、タイムパラドックスも絡み、未
来社会も垣間見せる物語が展開される。
まあ、お子様向けと言えば、お子様向けだけれど、最近の妙
に大人の観客を意識し過ぎのアニメーションよりは気楽に楽
しめる。それでいて、自分を置き去りにした親との関係など
は大人の鑑賞にも堪えるドラマも描かれている。
その辺のバランスが、完璧とは言えないけれど、子供の付合
いで観に行く親の世代には、それなりにいろいろ楽しめる感
じにもなっている。
なお、試写会は2Dで行われたが、オリジナルは3Dを念頭
に置いて製作された作品。劇中3D効果を狙ったと思われる
映像演出も随所にあり、3Dの上映が行われたらまた観たい
感じもしたものだ。
それにしても、これから益々3D作品は増える傾向だが、早
く都心にも3D上映館は出来てくれないのかな。

『ヒッチャー』“The Hitcher”
1986年にルトガー・ハウアー主演で映画化された同名作品の
リメイク。若いカップルが週末のリゾートに向かうドライヴ
中、止むを得ず同乗させたヒッチハイカーが、実は殺人鬼だ
ったというサスペンス作品。
ハウアーに代って主演を務めるのは『LOTR』でボロミア
を演じたショーン・ビーン。ハウアーは見るからに危険そう
だったが、ビーンも負けず劣らず最初から無気味な雰囲気を
漂わせる。
ビーンは、正直に言って比較的端正な顔立ちの俳優だと思っ
ていたが、本作ではその裏に潜む無気味さみたいなものがう
まく表現されていた。と言ってもこの作品では、観客側にも
先入観があるから…リメイクというのはその点で有利かも知
れない、とも思ったところだ。
製作はマイクル・ベイ。今夏は『トランスフォーマー』の監
督でヒットを飛ばしたが、CGIスタント満載の監督作品に
対して、本作では実写のカースタントが中心。これが、これ
でもかとばかりに展開するのもかなりの観ものだ。
ただまあ、このカースタントが絢爛豪華になった分、オリジ
ナルはもっと恐かったなあ…と思ってしまうのは仕方ないと
ころで、上映時間1時間24分では、これがバランスというと
ころだろう。これをどちらもたっぷり時間を掛けて描かれて
は、観る方も大変だ。
もっとも、オリジナルへのオマージュ的シーンが、他の映画
に先を越されてしまったのは、不運とも言えるところだが…
なお、作品の中でヒッチコックの『鳥』が時間経過を示す手
段として使われているが、実は製作者たちが次回にそのリメ
イクを検討しているとのことで、それも楽しみなところだ。
もっともこれも、『バイオハザード3』の後でどこまでやれ
るか、興味津々だが…
カップル役のソフィア・ブッシュとザカリー・ナイトンは、
いずれもテレビの人気者のようだ。他に、『マイノリティ・
リポート』『父親たちの星条旗』などのニール・マクドノー
が出ている。

『肩ごしの恋人』(韓国映画)
直木賞受賞の唯川恵の原作を韓国で映画化した作品。なお、
同じ原作からは、日本では米倉涼子、高岡早紀共演でテレビ
ドラマ化がされている。
片や恋愛至上主義、片や結婚至上主義、性格もファッション
や男の好みも全く違う。それでも親友同士の2人の女性が、
人生の曲り角で自分を振り返り、将来を模索する。
9月に紹介した『ソンナオトナノオンナノコ』も同じような
設定の作品だったが、コミックス原作の日本映画がヴィデオ
製作のインディーズ作品であったのに対して、こちらは韓国
トップクラス製作会社の製作で、ソウル観光も楽しめるくら
いにロケ地も多彩な、豪華な作品になっている。
主人公のジョンワンは写真スタジオ所属の女性カメラマン。
その仕事ぶりはそろそろ認められ始めているが、実生活では
恋愛至上主義で目下は妻子のある男性と恋愛中だ。その彼か

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10月10日(水)
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