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On the Production
by 井口健二
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■第141回
の共同脚本で、「僕らの『MIB』を目指す」とするVFX
アクションコメディ“Nightcrawlers”と、フィル・アルデ
ン・ロビンスンがリライト中の題未定のスパイもの、そして
“Yucatan”の計画となっている。
 因に、メキシコ・ユカタン半島でのマヤの財宝捜しを、ス
ペイン征服下のメキシコの歴史を踏まえて描いているとされ
る“Yucatan”に関しては、すでに2年前から『プリズン・
ブレイク』のポール・ショイリングが脚色を進めていたもの
だが、McGの参加ではその見直しから始められることになり
そうだ。映画化には、ワーナー側製作者として『ハリー・ポ
ッター』を手掛けるデイヴィッド・ヘイマンが参加する他、
マックィーンの息子と孫も製作総指揮を勤めている。
 ただし、McGは無類の旅行嫌いとして知られており、実は
“We Are…”の時には、先に“Superman Returns”の監督も
オファーされていたが、撮影場所がオーストラリアと知って
断ったという話もある。同じ米大陸内とはいえ国外のユカタ
ン半島での撮影は大丈夫なのだろうか?
 いずれにしても実現は少し先になりそうだが、モトクロス
の演出は『CA2』で経験済のMcGによる、華麗なマックィ
ーン流バイクアクションの再現を期待したい。
        *         *
 お次は、ユニヴァーサルから新たなスパイシリーズの計画
が発表された。
 このシリーズは、原作者のダニエル・シルヴァが2000年に
発表した“The Kill Artist”という作品を第1作とするも
ので、ミュンヘン復讐事件にも関係したとされる元モサドの
エージェント=ゲイブリエル・アーロンという男が主人公。
妻子をテロリストに殺され、一度は引退して美術品の修復師
となっていた主人公が、活動を再開するところから始まった
シリーズは、今年7巻目の“The Secret Servant”が発表さ
れて、いずれもベストセラーになっているとのことだ。
 そのシリーズの映画化権が7桁($)の金額で契約され、
ユニヴァーサルでは2006年発表の第6巻“The Messenger”
から映画シリーズをスタートさせるとしている。そして映画
化の監督には、リュック・ベッソン監督の下で長年撮影監督
を勤め、2004年に公開されたフランス製作の未来スパイ映画
“Banlieue 13”でのアクション監督を経て、最近はリーア
ム・ニーソン主演の元スパイもの“Taken”の監督を終えた
ばかりのピエール・モレルの起用が発表されている。
 なおユニヴァーサルでは、シリーズ第3作の“The Bourne
Ultimatum”が初登場全米1位を記録したところだが、この
シリーズは、原作者の故ロバート・ラドラムの残した物語が
3作しかなかったもので、一時はハリウッド的な続編も検討
されたが、それには主演のマット・デイモンが絶対反対の意
向とのこと。従って“Bourne”シリーズではこれで打ち止め
の可能性が高く、それに替ってのシリーズ化が期待されてい
るものだ。因に、新シリーズの製作は“Bourne”を手掛けた
マーク・ゴードンが担当している。
        *         *
 2002年9月17日付第23回で紹介したビデオゲーム“Return
to Castle Wolfenstein”の映画化について、『バイオハザ
ード』シリーズの製作者サミュエル・ハディダが新たに権利
を獲得、昨年公開の『サイレント・ヒル』の脚本を手掛けた
ロジャー・アヴェリーの脚本監督で進めることを発表した。
 なおこの計画は、以前の紹介ではコロムビアが、製作者の
マーク・ゴードンと進めていたものだが、実現しないまま映
画化権が返還され、その権利についてハディダが、権利元の
IDソフトウェア社と新たな契約を結んだということだ。
 物語は、第2次大戦を背景に、ウルフェンスタイン城で行
われたナチスの秘密研究を暴くというもの。そこでは異形の
怪物たちが究極の兵士として育成されていた…というお話。
最初のゲーム“Wolfenstein 3D”は1992年に発表され、この
種のホラーゲームの元祖とも言われている。
 なお、11月16日に全米公開されるロバート・ゼメキス監督

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08月15日(水)
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