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On the Production
by 井口健二
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■第140回
常に憧れていた」としていたもの。相思相愛の念願かなって
の映画化となりそうだ。
因にシリーズは、今でも全米各地で年次のコンヴェンショ
ンが開催されるほどの人気を保っているものだが、その作品
に、今や全米一とも言える人気スターの登場は、ファンたち
への最高のプレゼントという表現もされていた。また、SF
/ファンタシー系の映画サイトなどへの書き込みでも概ね好
印象で迎えられているようだ。
製作時期は未定だが、製作はワーナーとデップ主宰のイン
フィニタム・ニヒル、それにグラハム・キングの共同で進め
られ、製作者には元ダン・カーティスの腹心だった人も名を
連ねている。
ただし、デップとキングは第127回で紹介した毒殺された
旧ソ連KGBのエージェントの生涯を描く“Sasha's Story:
The Life and Death of a Russian Spy”の計画も進めてお
り、どちらが先になるかは、今後の脚本その他の進捗状況に
よることになりそうだ。いずれにしても来年というよりは、
2009年の計画になりそうだが。
* *
お次は、第124回にニコラス・ケイジとの関係で紹介した
ヴァージン・コミックスから、いよいよ第1号の映画化の契
約が発表された(なお、ケイジの計画は、まだ正式契約には
至っていないようだ)。
その作品は“The Gamekeeper”と題されたもので、原作は
映画監督ガイ・リッチーのオリジナルコンセプトに基づき、
アンディ・ディギルという作家の手で発表されている。内容
は、スコットランドの原野を舞台に、暗い過去を持った東欧
出身の猟場管理人の男と、その周囲で起きる殺人事件との繋
がりを描くというもの。ただし、物語の背景には、主人公と
自然界との特異なつながりが在るようだ。
そして、この原作を一読したワーナーの製作担当重役ジェ
フ・ロビノフが、アクション映画としての可能性を見抜き、
直ちに契約を取り決めたとされている。もちろん監督はガイ
・リッチーが担当、製作にはジョエル・シルヴァが起用され
ている。なおリッチーは、シルヴァ主宰のダーク・キャッス
ル製作でワーナーが配給する“RocknRolla”という作品の監
督中で、流れは良い感じで進むことになりそうだ。
一方、ヴァージン・コミックスでは、すでにケイジやジョ
ン・ウー、テリー・ギリアム、ジョナサン・モストウらのコ
ンセプトに基づく作品を発表しているが、さらに俳優で監督
の実績もあるエドワード・バーンズもこれに参画、1920年代
ニューヨークに暮らすアイルランド系住人の姿を描いた作品
を計画している。
この作品は、“Dock Walloper”と題されているもので、
バーンズは以前からこの計画を持っていたものの、1920年代
のニューヨークを描くには、製作費に8000万ドルが必要と言
われていたそうだ。ところがバーンズ自身が、「『シン・シ
ティ』や『300』を観ていて、自分のコンセプトをまずコ
ミックスにし、そこからCGIなどを利用した映像化の道を
考える方法もあると思った」のだそうで、その一歩目として
コミックス化を進めることにしたものだ。なお、バーンズは
コミックのストーリーも執筆する。
コミックスの映画化が数多くの成功を納める中、映画人の
コミックスへの参加も、ヴァージンだけでなく第105回で紹
介したような別の動きも出ているものだが、積極的にそれを
利用しようとすることでは、バーンズの考え方は一石を投じ
ることにもなりそうだ。結果が期待される。
* *
第132回で紹介したコロムビア製作“Green Hornet”の映
画版の計画に、ジャド・アプトゥ監督の全米ヒットコメディ
“The 40-Year-Old Virgin”の共演者としても注目のセス・
ローガンの起用が発表され、脚本の執筆と主人公ブリッド・
レイド役での出演の契約が発表された。
ローガンは、元々はアプトゥ監督のテレビシリーズに出演
したのが切っ掛けで、監督から脚本の執筆を勧められ、上記
の“40-Year…”は共演のみだが、すでに主演と脚本も手掛
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08月01日(水)
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