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On the Production
by 井口健二
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■デス・プルーフ、プラネット・テラー、マザー・テレサ、ファイアー・ドッグ、純愛、ナルコ、たとえ世界が終わっても
ローズ・マッゴーワン。そして『ポセイドン』『ボビー』な
どのフレディ・ロドリゲスを中心に、『ターミネーター』の
マイクル・ビーン、『ファイアー・ウォール』のジェフ・フ
ェイヒー、『グーニーズ』〜『インビジブル』のジョッシュ
・ブローリン、『シン・シティ』のマーリー・シェルトン、
ミュージシャンのナヴィーン・アンドリュース、ステイシー
・ファーダソン、それにブルース・ウィリスといったちょっ
と渋目の役者が揃えられている。
グラインドハウスは、僕が初めてアメリカに行った1975年頃
にはまだあって、ハリウッドの外れ映画館で、確か$1ほど
の料金でヨーロッパ製のヴァンパイア物を含む3本立てを観
た記憶がある。今は残っていても危険で入れないだろうが、
そんな心配のまだ無い時代だった。
日本でも当時は、新宿から高円寺辺りまでの地球座チェーン
と言ったかな?や、赤羽から浦和、大宮辺にもチェーンがあ
って、1本のフィルムをバイクで順送りして上映していたも
のだ。上映の最終日に行って頼むとポスターなども貰えて、
『2001年宇宙の旅』を入手したこともある。
当然、2番館3番館落ちの作品が上映されるからフィルムは
ぼろぼろで、今回製作された2作品でも、フィルムの傷や駒
飛び、さらに焼失なども演出されているが、それでも好きな
映画は何度でも見に行けたものだ。
映画ファンがいたからそういうことが出来たのか、そういう
映画館があったからファンが育ったのか、それは判らないけ
ど、マルチプレックスの台頭がそういう映画館を消滅させた
ことは確かなようだ。
なおこれらの作品は、日本では2本独立で9月1日から順次
公開されるが、それに先行して8月24日から数日間、東京・
六本木と大阪でオリジナル版の公開も行われる。実は、特に
タランティーノ作品が、director's cutでちょっとやりすぎ
ている感じもあり、その辺をオリジナル版で確認したい気も
しているものだ。
『マザー・テレサ・メモリアル』
“Mother Teresa & Mother Teresa: The Legacy Film”
今年で没後10周年を迎えたマザー・テレサを取材したドキュ
メンタリー。
生前に製作された“Mother Teresa”(邦題:母なることの
由来)のディジタル復刻版と、その葬儀の模様に生前のイン
タヴューなどを加えた“Mother Teresa: The Legacy Film”
(母なるひとの言葉)が公開される。
ノーベル平和賞にも輝いたマザー・テレサの業績は、知る人
には分かり切ったことであるかも知れないが、部外者である
自分にはいろいろと興味深く、面白く見られる作品だった。
特に、『母なることの由来』に描かれたマザー・テレサの来
歴や、彼女の行動力、また人種や宗教を越えて人々に影響を
与えて行く様子は、その間に中東紛争の中での活動の様子な
ども織り込んだ丁寧な取材で、部外者にも判りやすいものに
なっている。
それにしても、旧ユーゴスラビアで生まれた女性が18歳で修
道女になり、教会の指示でインドに赴き、36歳で神の召命を
受けて貧しい人々への奉仕を開始。さらに、彼女が開設した
「神の愛の宣教者会」はローマ法王の認可の許、インドだけ
でなく世界中に広まっていったという経緯は、マザーの偉大
さと宗教そのものの存在感を見事に描いたものだ。
だからといって、自分がそれに感化されてしまうということ
ではないが、若い内にこのような作品を見て、それで何かを
考えられれば、それも価値のある作品のようにも思えた。
公開は9月15日から東京写真美術館ホールで行われる。
なお、試写会は2本立てだったが、一般公開は独立の形で、
チケットは2枚綴り(1800円)とそれぞれ個別(1000円)も
販売される。従って作品は単独でも見られるが、初めて観る
人には『母なるひとの言葉』だけではちょっと判りにくいか
も知れないと思えた。
それから葬儀の模様の中で、日本からは土井たか子だけが紹
介されるが、これは確か当時衆議院議長として出席している
もので、原音声に肩書きが無いのは仕方がないが、これだけ
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07月31日(火)
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