ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460310hit]

■第139回
者ヒュー・ヘフナーを描くもので、製作者のブライアン・グ
レイザーが数年前に映画化権を獲得して以来、『8Mile』の
脚本家スコット・シルヴァによるミュージカル仕立ての計画
や、オリヴァ・ストーン監督による複数の草案などいろいろ
な計画が立上げられたものの、いずれも頓挫していた。
 その計画にラトナーが挑むものだが、ラトナーは以前から
Playboy誌の歴史やヘフナーの人生にも興味を持っており、
実はグレイザーが最初に計画を発表した当時にも、彼は所有
していたPlayboy仕様のピンボールマシンを製作者に贈って
アピールもしていた。そのマシンは現在イマジン社の製作者
のオフィスの入り口に置かれているそうだ。
 そして今回は、実は別作品をグレイザーと進めていたラト
ナーに、ストーン監督の離脱が表明された直後連絡が入った
もので、すでにラトナーはグレイザーに同行してプレイボー
イマンションにヘフナー本人を表敬訪問するなど、準備は進
行しているようだ。性革命のシンボルとも言われるヘフナー
の人生をラトナーがどのように描くか、興味の引かれるとこ
ろだ。
 一方、ラトナーがグレイザーと進めていた別作品というの
は、題名未定のニューヨークの高級マンション・トランプタ
ワーを舞台にした盗賊もので、この作品には、エディ・マー
フィ、クリス・ロック、クリス・タッカー、デンゼル・ワシ
ントン、ジェイミー・フォックス、それにシドニー・ポアテ
ィエの共演が予定され、『オーシャンズ11』のような乗りの
作品が考えられているとのことだ。
 ただし、“Playboy”のオファーが届いたときのラトナー
の状況は、ロバート・ゲワーツが手掛ける脚本のリライトの
完成待ちだったそうで、一方、“Playboy”の脚本もこれか
らジョン・ホフマンが執筆するというもの。いずれも直ちに
動き出せるものではないが、恐らくはこの2本で、脚本の先
に上がった方が次回作となるようだ。
 いずれにしても興味の引かれる2作品で、どちらが先でも
良いからぜひとも2本とも実現して欲しいものだ。
        *         *
 お次は、ロバート・ゼメキス監督で進められるパフォーマ
ンス・キャプチャーの新作に、ジム・キャリーの主演が発表
された。
 作品の題名は“A Christmas Carol”。チャールズ・ディ
ケンズ原作のクリスマスストーリーの名作を、『ポーラー・
エクスプレス』と同じ手法でアニメーション化、さらに3D
で公開しようというものだ。そしてトム・ハンクスと同様に
キャリーもマルチキャラクターを演じることになっており、
それには何と主人公のスクルージと、彼に取り憑く過去、現
在、未来の3人の幽霊も1人で演じるとされている。
 キャリーのマルチキャラクターは、『ふたりの男とひとり
の女』や『マン・オン・ザ・ムーン』などで経験済みだが、
主な登場人物を全部演じるというのは大胆な計画だ。また、
パフォーマンス・キャプチャーの場合はメイクは事実上なし
になるから、役作りもメイクで入っていけないと結構大変に
なりそうだ。
 なお、共演にはボブ・ホスキンズの名前も噂されており、
ゼメキス監督のディズニー作品『ロジャー・ラビット』では
アニメーションと共演したホスキンズが、今回は自らアニメ
ーションとなって活躍することになるかもしれない。
 製作は、ゼメキス主宰のイメージ・ムーヴァースで行い、
CGIの製作は『モンスター・ハウス』を手掛けたスタッフ
が担当する。ただし今回は、かなり実写に近い映像が要求さ
れそうだ。配給は、ゼメキスが先にソニーからの移籍を発表
したディズニーが担当、同社は『チキン・リトル』と同様の
ディズニー・デジタル3D(=ドルビーリアルD)システム
による公開を行う。
 なお、ゼメキス監督では今秋公開される“Beowulf”も、
パフォーマンス・キャプチャーによるアニメーション3Dと
なっているが、これにはリアルDと『ポーラー…』を手掛け
たImax-3D両システムでの同時上映が実施されるようだ。

[5]続きを読む

07月15日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る