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On the Production
by 井口健二
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■ジャンゴ(特)、オーシャンズ13、厨房で逢いましょう、クレージーストーン、傷だらけの男たち、Perfect Stranger、不死鳥の騎士団
は、バンクに会ってルーベンの資産を返すよう話すが、バン
クは聞く耳を持たない。
この事態にオーシャンズの面々は、バンクから根こそぎ彼の
資産を奪うことを決めるが…
何せ今回は、人工知能搭載のセキュリティも完備した、正に
難攻不落のホテルカジノが相手ということ.しかも同時に、
そのホテルのシンボルでもあるダイヤも盗み出せという難題
が山積み、それを賭博のイカサマから物理的な強奪まで絡め
て描くのだから、これはオールスターキャストも顔負けの大
盤振舞という感じの作品だ。
正直なところは、『ミッション・インポッシブル』の大作戦
を、さらに一歩も二歩も進めたような感じのものだが、映画
版の『M:I』が個人プレイに特化してオリジナルのチーム
プレイの魅力を失ってしまったのに対して、本作は見事にチ
ームプレイの面白さ描いている。
しかも、政府が後ろ楯の『M:I』に対して、本作は個人事
業だからお金を奪わなければ話が完結しない訳で、その辺の
設定もしっかりと描かれている点にも感心したところだ。
ただし、今回の作戦にはかなり荒唐無稽な面もあって、多少
やり過ぎかなと感じる部分もあった。今回は納得できたが、
すでに“Ocean's Fourteen”も決定したという噂の中で、次
回はその辺のバランス感覚も問われることにはなりそうだ。
出演者では、紅一点にエレン・バーキン。彼女は『12』に
もカメオ出演していたが、上映版ではカットされたのだそう
で、今回の出演は再挑戦だそうだ。なお、登場しない前作ま
での女優陣に関しては、映画の前半などで何度も言い訳があ
るのも面白かった。
『厨房で逢いましょう』“Eden”
最近ブームになっている感じもする料理を題材にした作品。
実は、映画を見るまでフランス映画かと思っていたら、何と
ドイツ映画だった。ドイツで料理とは…と思っていたら、ち
ゃんとハンバーグステーキやソーセージも出てきたのには、
なるほどドイツだと思わせてくれて嬉しくもなった。
物語の主人公は、半年先まで予約で一杯というレストランの
シェフ。フランスで修業を積み、同じレストランにいた給仕
長と共に店を開いているが、彼の料理にはエロティック・キ
ュイジーンという異名がある。
そんなシェフが足繁く通うのは、とあるカフェ。そこで彼は
1人の女性を見初めているのだが、彼女はそのカフェの若き
主人の妻だった。しかし、幼い彼女の娘が取り持つ縁で、2
人は急速に接近し、彼が料理を研究する厨房で関係が育まれ
て行く。そしてそれが事件を引き起こす。
実は、物語は少々殺伐としたところもあって、ジャン・レノ
とジュリエット・ビノシェが共演した『シェフと素顔と、お
いしい時間』のようなロマンティックムード一杯の作品とは
行かないが、でも何となく心温まる結末には、ちょっとほっ
としたものだ。
脚本・監督のミヒャエル・ホーフマンは本作が3作目のよう
だが、本作ではロッテルダムとペサロの映画祭で観客賞を受
賞している。特にロッテルダムでは、5点満点で4.73点とい
う高い支持を受けたそうだ。
出演者は、シェフ役に監督の作品には常連のヨーゼフ・オス
テンドルフ。本人が美食家で「楽しむことに重きをおく」と
いう巨漢が、見事に役柄にマッチしている。一方、ヒロイン
役にはドイツで音楽番組などの人気司会者というシャルロッ
ト・ロッシェ。演技は全くの素人だそうだが、初々しさがこ
ちらも物語にマッチしていた。
なお監督は、「この映画は料理を見せるのが目的ではない」
としているが、複数のレストランガイドで「若くワイルドな
料理人」と賞賛され、2005年からは5星ホテルの料理長も務
めるフランク・エーラーが監修して、見事な創作料理が登場
する。
ただし、映画には「チョコ・コーラ・ソース」なるものが登
場してかなり気になったのだが、実はこれは監督の創作で、
エーラーからはふざけた代物だと怒られたそうだ。でも、映
画にはちゃんと登場していたようが。
『クレージーストーン〜翡翠狂奏曲〜』“瘋狂的石頭”
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06月20日(水)
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