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On the Production
by 井口健二
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■第136回
はジム・キャリーが主演を希望し、当時はニューラインの製
作でスティーヴン・スピルバーグやロン・ハワードらの監督
名も挙がったものの、結局実現はしなかった。その後はパラ
マウントで、『ミーン・ガールズ』などのマーク・ウォータ
ーズ監督が、オーウェン・ウィルスンの主演で計画を進めた
こともあったが、それも立ち消えになっている。
 その計画が今回は、ゴールドウィンJr.がパラマウントか
らフォックスに移籍したのを契機に再び動き出したもので、
脚本には『シンプソンズ』などのジェイ・クーガンが起用さ
れて準備が進められているものだ。因に今回の計画では、今
まで各主演者用に作られた脚本は全て廃棄され、マイヤーズ
用の脚本が新たに作られるとのことだ。
 ただし、マイヤーズの次回作には、“The Love Guru”と
いう作品が9月の撮影開始で決まっており、その後には、ロ
ジャー・ダルトリー製作で、The Whoのドラマー役を演じる
“See Me,Feel Me: Keith Moon Naked for Your Pleasure”
や、第110回で紹介の“How to Survive a Robot Uprising”
などの計画が目白押しになっている。さらに、前回報告した
“Austin Powers 4”の計画も、ジェイ・ローチ監督と初期
の話し合いが持たれたということで、この中から選ばれるの
は大変になりそうだ。
        *         *
 “Transformers”の実写映画化は、ドリームワークス製作
でこの夏公開されるが、同じく1980年代を席巻した玩具を映
画化する計画がワーナーから発表された。
 映画化されるのはマテル社から発売されていたアクション
・フィギアの“The Masters of the Universe”。実はこの
映画化については第74回でも1度紹介しているが、物語の設
定は、地球の中世にも似た魔法世界エターニアを舞台にした
もの。その国の王子が訓練の末に超能力を得て“He-Man”と
呼ばれるヒーローとなり、スケルターと名告る悪漢が率いる
悪の軍団との戦いを繰り広げるというものだ。
 そしてこの玩具シリーズからは、1980年代以降に4本の異
なるテレビアニメシリーズが製作された他、1987年にはドル
フ・ラングレンのHe-Man、フランク・ランジェラのスケルタ
ー役で、ジャンル映画のメッカだったキャノン・フィルムス
による映画化も行われた。
 さらに同じ題材から、以前の紹介ではジョン・ウー監督に
よる計画が発表されていたものだが、2004年に立上げられた
この計画は、映画製作者とマテル社との間で意見が合わずに
頓挫。その権利関係の契約が失効するのを待っての、今回の
発表となったようだ。
 なお、今回の計画では、第133回で紹介した“Super Max”
(“Green Arrow”の映画化と呼ぶ方が通りが良いようだ)
も手掛けるジャスティン・マーカスが脚本を担当。物語の原
案は、マーカスとニール・エリスという製作者が提案したも
ので、これにアンディ&ラリー・ウォシャウスキー監督によ
る“Speed Racer”を製作中のジョエル・シルヴァが反応し
て、実現となったものだ。
 また、シルヴァからは、『300』にも採用されたVFX
テクノロジーを使って、古典的な正義と悪の戦いを描くとい
う提案がマテル社に出され、さらにシリーズ化も視野に入れ
た物語を構築するとして了承を得たとされている。
 一方、この計画に関しては、かなり早い時期からインター
ネット上で噂が盛り上がったということで、それだけ関心の
高さが伺われるようだ。因に、玩具シリーズの発売は1980年
代末に中断されたものだが、マテル社では映画化に合せて再
発売する計画も進めているそうだ。
        *         *
 続いてもシルヴァ=ワーナーの情報で、『フロム・ヘル』
などのアレン&アルバート・ヒューズ兄弟による、2001年の
同作以来となる監督計画が発表された。
 作品の題名は、“Book of Eli”。ゲイリー・ウィッタと
いう人のオリジナル脚本に基づくもので、最終戦争後の世界
を舞台に、人類を救済する1冊の神聖な本を守ってアメリカ

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06月01日(金)
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