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On the Production
by 井口健二
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■第132回
それにしてもヨハンソンは、ヨーロッパに渡ってからのア
レン監督作品4本の内3本に出演することになるものだが、
アレンが同じ女優と繰り返し組むのは、初期に6作品を手掛
け、公私ともにパートナーだったダイアン・キートンや、ミ
ア・ファーロー以来のことになる。ヨハンソンと公私ともに
とは考えられないが、アレンのお気に入りの女優になったこ
とは確かなようだ。
なお、アレンとスペインの関係については、以前の紹介に
も書いたように、休暇を楽しんだり、国王からの勲章の授与
や銅像の建立、『マッチ・ポイント』も大ヒットするなど評
価も高く、気持ちの良い仕事になりそうだ。
* *
ここらは徐々にSF/ファンタシー系の情報に移行する。
まずは、サー・コナン・ドイル原作の名探偵シャーロック
・ホームズを、新たなアクション・アドヴェンチャーシリー
ズとして展開する計画が、ワーナーから発表された。
この計画は、『ハリー・ポッター』シリーズの最初の3作
の映画化をワーナー側の製作担当重役として手掛け、その後
に傘下の製作者として独立したライオネル・ウィグラムが進
めているもので、2002年『ドッグ・ソルジャー』のニール・
マーシャル監督と、マイクル・ジョンスンという新人脚本家
の起用も発表されている。
物語は、原作通りヴィクトリア朝のロンドンを舞台とした
ものになるが、ホームズの特技として知られるボクシングや
フェンシングの技も織り込んで、原作よりアクションの多い
作品にするとのこと。また、助手ワトソンの存在も原作より
大きくなるようだ。なお、ウィグラムは、クリストファー・
ノーランが『バットマン・ビギンズ』で採ったようなアプロ
ーチをこの原作に対して行うとしている。
また、映画化に並行して原作のコミックブック化も検討さ
れており、両面からの名探偵復活が考えられているようだ。
因に、ドイルの原作に対しては、1900年以降で200本以上
の映画やテレビでの映像化があり、75人以上の俳優が名探偵
を演じているそうだが、その著作権はすでに消滅している。
しかし、今回の計画に関わるウィグラム、マーシャル、ジョ
ンスンは、いずれもイギリス人なのだそうで、今回の計画で
はドイルの子孫とも密接の連携して、正真正銘の映画化を目
指すとのことだ。またワーナーでは、今回の計画に関して、
その子孫との契約も結んでいるということだ。
* *
昨年7月の第114回で紹介したスティーヴン・スピルバー
グ監督の本格SF企画について、新たな動きが報告された。
この計画は、以前紹介したように、カリフォルニア工科大
学のキップ・S・ソーン教授が提唱するワームホール理論に
基づき宇宙と次元を越えた冒険の旅を描くというものだが、
今回はこの作品に、“Interstellar”という題名が決定し、
『プレステージ』を手掛けたジョナサン・ノーランが脚本を
担当することが報告された。
脚本を担当するノーランは、元々は『メメント』の原作を
書いた小説家だったが、兄のクリストファーがその原作を映
画化する際の共同脚本に参加、『バットマン・ビギンズ』で
も共同脚本を担当し、その続編“The Dark Knight”も担当
している。さらに『プレステージ』では、2年を掛けて抜群
のセンスで見事な脚本を作り上げているものだ。
そんなジョナサンの参加は、スピルバーグの計画について
も強力な助っ人になりそうだ。
なお、ジョナサンは、その前にワーナーで進められている
“The Chicago Fire”という作品の脚本を完成しなければな
らないようだが、スピルバーグも6月撮影開始の“Indiana
Jones 4”に続いては、リーアム・ニースンがタイトルロー
ルを務める“Lincoln”の計画が進んでおり、それらを考え
ると1年以上の余裕はありそうだ。
『2001年宇宙の旅』を越える究極SFが期待される。
* *
2004年3月の第58回などで紹介した“The Green Hornet”
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04月01日(日)
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