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On the Production
by 井口健二
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■第131回
 一方、スコセッシは、パラマウントでミック・ジャガーの
製作によりロック音楽の歴史を描く計画を、『ディパーテッ
ド』のウィリアム・モナハンの脚本で進めることも発表して
おり、さらに『ディパーテッド』の続編や、エリック・ジャ
ガー原作の歴史物で“Last Duel: A True Story of Crime,
Scandal and Trial by Combat in Medieval France”という
計画もあって、どれが次回作かは未定のようだ。
        *         *
 昨年第115回でロン・ハワード監督の計画として報告した
“The Changeling”という作品が、イマジン=ユニヴァーサ
ルの製作はそのままだが、監督をクリント・イーストウッド
が担当、主演にアンジェリーナ・ジョリーが話し合われてい
ることが公表された。
 この計画では、ハワードに関しては前回報告の当時から他
の計画が目白押しで難しいかも知れないとされていたものだ
が、そこにイーストウッド監督とは意外な展開だった。
 内容は、以前に紹介したように1920年代のサンフランシス
コで起きた実際の事件に基づくもので、若い母親が子供を誘
拐され、一心に神に祈った結果子供は見つかるが、それは彼
女の子供ではなかった…というもの。この母親役をジョリー
が演じることになるようだ。
 因に、オリジナル脚本を手掛けたマイクル・ストラチンス
キーは、第114回で紹介したブラッド・ピット製作のゾンビ
企画“World War Z”の脚色も手掛けており、ジョリーの参
加がその辺から来た可能性はありそうだ。なお、ジョリーは
“The Mighty Heart”と“Beowolf”の2作の撮影は終了し
ており、次には第111回で紹介した“Atlas Shragged”の計
画も進んでいるものだが、本作“The Changeling”の撮影は
今年後半に予定されていて、スケジュール的には問題はなさ
そうだ。
        *         *
 3回連続の登場で、『ソウ2』『3』のダレン・リン・ボ
ウスマン監督が、1981年公開のデイヴィド・クローネンバー
グ監督作品“Scanners”のリメイクに挑戦することが、ワイ
ンスタイン兄弟が主宰するTWC傘下のジャンルブランド=
ディメンションから発表された。
 超能力者たちの壮絶な闘いを描いたオリジナルは、革新的
なホラー作品と評価され、その後に派生作品も何本か作られ
ているが、今回の計画はクローネンバーグが直接タッチした
第1作をリメイクするものだ。
 そしてこの計画自体は、2002年の第21回でも一度紹介して
いるが、当時は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』などの
アーチザンがリメイク権を設定して進めていた。しかし実現
しないままその権利が最近失効し、今回は当時のアーチザン
のトップだったリチャード・サパースタインと、ワインスタ
イン兄弟が、権利を再設定して進めるというものだ。つまり
このリメイクは、サパースタインがどうしてもやりたくて、
いろいろな手段を講じてきたもので、それがようやく実現の
目処が付いたということのようだ。
 さらに今回の計画では、脚本を、『ブレイド』シリーズや
『バットマン・ビギンズ』のデヴィッド・ゴイヤーが担当す
ることも発表されている。因にボウスマンは、前回報告した
“Saw 4”と“Repo!”の後にこのリメイクを行う予定だが、
ゴイヤーもそれに合わせて脚本を完成させるとのことだ。
 なお、今回の製作者には、“Saw”シリーズと“Repo!”も
手掛けるツイステッドピクチャーズのトップの名前も並んで
おり、ボウスマンの仕事をサポートするようだ。また、ボウ
スマンとワインスタインは2作品の契約を結んでおり、今回
はその1本目となるものだ。
        *         *
 第128回でちょっと心配な情報として紹介したM・ナイト
・シャマラン監督の新作“The Green Effect”(現在“The
Happening”と改題されている)について、この映画化をフ
ォックスで進めることが発表された。
 この作品については、以前に紹介したように、自然災害と
人類との壮大な闘いを描くという内容のもので、総製作費は

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03月15日(木)
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