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On the Production
by 井口健二
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■第130回
だ感じで、意外性の少ない結果のように思える。特に“The
Departed”の作品、監督、脚色、編集の4冠は、個人的には
いろいろ思うところもあるが、それがアカデミー会員の判断
であれば仕方のないところだ。これで前回紹介した続編2本
の可能性はますます高くなったと言えそうだ。
* *
以下はいつもの製作ニュースを紹介しよう。
まずは、最初にも紹介したにコラス・ケイジのさらなる情
報で、『ゴーストライダー』では伝説のコミックスヒーロー
に扮したケイジが、今度はゲーテの原作に挑むことが、今秋
『ナショナル・トレジャー2』の公開を控えるディズニーか
ら発表された。
この作品は、ゲーテの詩“The Sorcerer's Apprentice”
に基づくもので、魔法使いの弟子が、師匠の留守中に未熟な
魔法をホウキに掛けて雑用をさせようとし、大失敗をしてし
まうというお話。つまりディズニーが、『ファンタジア』で
ポール・デュカスのクラシック音楽に乗せてミッキーマウス
を主人公に描いたアニメーションを、原典に戻って実写で映
画化しようというものだ。
ただし、アニメーションは中編だったが、1本の映画とな
るとそれなりの物語も必要になる。そこでその脚本には、昨
年『エラゴン』の脚色を手掛けたマーク・ローゼンタールと
ローレンス・コナーが起用されて、その物語はすでに完成し
ているようだ。監督は未発表だが、ケイジの主演作とされて
いる。ケイジはミッキーマウスが演じた弟子の役をやるのだ
ろうか。
なお、ケイジの主演作では、ソニー配給の『ゴースト…』
に続けて、パラマウント配給でフィリップ・K・ディック原
作の“Next”が今春全米公開の予定になっており、秋の『ナ
ショナル…2』と併せて今年は3作品の公開となるようだ。
* *
お次は、日本では『隠された記憶』の邦題で昨年公開され
たミヒャエル・ハネケ監督のミステリー作品“Cache”を、
ロン・ハワード監督でアメリカ版リメイクする計画が報告さ
れている。
オリジナルは、ハネケが2005年のカンヌ映画祭で監督賞を
受賞した作品だが、ある日、自宅を監視するビデオテープが
届けられ、そこから生じる疑心暗鬼と家庭の秘密が浮き彫り
されて行くというもの。延々と続く監視映像などかなり大胆
な演出で描かれていた作品だ。因に、オリジナルはアメリカ
では“Hidden”の題名で、ソニー・クラシックスが公開し、
360万ドルの興行収入があったとされている。
その作品を、今回はユニヴァーサルの製作でリメイクする
もので、同社では舞台をアメリカに移して、さらにサスペン
スに満ちた映画化を希望しているようだが、脚色などは未定
のものだ。
一方、ハワード監督には、“Frost/Nixon”という舞台劇
からの映画化や、娘のブライスと初の親子共作となる“The
Look of Real”、それに『ダ・ヴィンチ・コード』の前日譚
の“Angels & Demons”など計画が目白押しで、本作がいつ
の製作になるかは不明のようだ。
とは言え、ダニエル・オートゥイユ、ジュリエット・ビノ
シェ、アニー・ジラルドが共演したフランス映画が、どのよ
うにアメリカ化されるかには興味が湧くところだ。
* *
続いては『ソウ』シリーズの第4作の計画が発表され、監
督を『2』『3』も手掛けたダレン・リン・ボウスマンが担
当することになった。
この第4作に関しては、前回紹介したように昨年第3作公
開時の来日記者会見で、ボウスマン自身が「後は別の監督に
任せたい」と言っていたものだが、どうやら適当な人材が見
つからなかったようだ。その第4作は4月16日の撮影開始、
10月26日に世界一斉公開される。
ところでボウスマン監督には、前回紹介した“Repo! The
Genetic Opera”というホラーオペラの計画を、同じくライ
オンズゲートの配給とツイステッド・ピクチャーズの製作で
進めることになっていたが、その計画については“Saw 4”
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03月01日(木)
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