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On the Production
by 井口健二
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■第128回
因に、パラマウントでは、ロベルト・ロドリゲス、ケリー
・コンラッド、ジョン・ファヴロウらの監督が計画にタッチ
していたものだが、それ以前のディズニーの計画では、ジョ
ン・マクティアナン監督の名前もあったとされている。これ
らの名前では、基本的に実写での映画化が目指されていたと
考えられるが、実は今回の映画化権の交渉には、ピクサーが
加わっているという情報もあるようだ。
そうなるとCGIアニメーションでの映画化の可能性も高
くなるが、交渉に当っているバローズの遺族は、実写での映
画化を強く希望しているとも伝えられる。いずれにしても、
バローズが創造した火星の生物やキャラクターの映像化には
CGIは欠かせないもので、実写と合成でやるにしても、ピ
クサーの参加は心強いものだ。
後は、脚本と監督に誰が選ばれるか、注目して見ていきた
い。
* *
お次は、前回の記事の続報ということにもなるが、ジョニ
ー・デップがワーナーで進めている“Shantaram”の映画化
に、インド出身の女性監督ミラ・ネアの起用が発表された。
この作品については、2004年の第73回から紹介しているも
のだが、昨年の第113回で紹介したように一時監督に予定さ
れていたピーター・ウェアが創造上の意見の相違を理由に降
板を表明し、計画が頓挫していた。しかし前回報告したよう
に製作者たちは今年10月の撮影開始を目指して準備を進めて
いたもので、この計画に待望の後任監督が決定したものだ。
監督のミラ・ネアは、日本では2002年に公開された『モン
スーン・ウェディング』の監督として知られるが、ニューデ
リーの出身。ただしハーヴァード大学で映像学を学んだとい
う才媛で、インド代表に選ばれた同作品は、2001年のヴェネ
チア映画祭で金熊賞にも輝いている。そして2004年には、リ
ーズ・ウィザースプーン主演で製作された“Vanity Fair”
という作品でアメリカに進出。さらに“The Namesake”とい
う作品が、今年3月9日全米公開の予定になっている。
その監督が、インドも舞台となるこの作品で里帰りするこ
とになるもので、“Salaam Bombay!”という作品をデビュー
作とする彼女が発揮する「欧米監督とは異なる視点」には、
製作を担当するグラハム・キングも大いに期待を寄せている
ようだ。
オーストラリアの麻薬中毒患者が、世界一厳重と言われた
監獄を脱獄し、あるときはインドのムンバイで医師となり、
さらにアフガニスタンの反政府ゲリラに身を投じるという、
グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツの原作は、『ミュンヘ
ン』などのエリック・ロスが脚色を担当、今年の秋からの撮
影が予定されている。
* *
続いてはシリーズ物の情報をいくつか紹介しよう。
まずは、今年5月に第3作が公開される“Spider-Man”に
ついて、3部作で終了するか否か不明だったシリーズ第4作
の脚本を、第1作を手掛けたデイヴィッド・コープに交渉し
ていることが報告された。
これは、先に行われた第3作の初号試写を見たコロムビア
の首脳が、その直後に動いたというもので、この情報が事実
とすれば、シリーズの継続は決定したと考えていいものだ。
因にコープは、前回も紹介したように“Indiana Jones”の
第4作の計画にも参加しているが、今年の夏に撮影が計画さ
れているその脚本は、当然すでに完成していなければいけな
いもので、当面“Spider-Man”への参加の支障になるもので
はない。
ただし、主演のトビー・マクガイア、キルスティン・ダン
スト、ジェームズ・フランコの3人は、いずれも3作までの
契約を結んでいたもので、その契約を延長することは、特に
3人がその後にブレイクしたことを考慮すると契約金だけで
膨大な額になる。
一方、監督のサム・ライミも、本人が続けて手掛けたいと
する希望は常々公表していたものだが、仮に本人が希望して
も契約金は釣り上がるのが決まりだそうで、これも監督とし
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02月01日(木)
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