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On the Production
by 井口健二
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■第126回
ーションやラジオ、テレビなどでも数多くの作品が生み出さ
れてきた。しかしその多くは、1930年代にMGMが製作した
映画化のイメージに囚われており、原作からは多少ずれたも
のになっていた。
一方、1950年に死去した原作者の著作権はすでに消滅して
いるものだが、今回は、敢えてその原作に戻った映画化を目
指すとしている。と言ってもワーナーでは、1984年に『炎の
ランナー』のヒュー・ハドスン監督、クリストファー・ラン
バート主演による同旨の映画化“Greystoke: The Legend of
Tarzan”(グレイストーク)を行っており、今回はそれに
再度挑戦することになるものだ。
なお、デル=トロは子供の頃にスペイン語版の原作小説を
愛読していたということで、そのイメージに従った映画化を
目指すとしている。ただし、今回の映画化の脚色には、すで
に『マスター・アンド・コマンダー』や『ハッピー・フィー
ト』のジョン・コリーが起用されている。これについてデル
=トロは、「コリーは大自然を背景にした冒険を描かせたら
最高の脚本家だ」として、脚本家とのコラボレーションを待
望しているとのことだ。
従って、今回の脚本はコリーが単独で執筆し、デル=トロ
は脚色には参加しないことになるが、その間にデル=トロ自
身は、“Hellboy 2”の準備と、自分のオリジナルの企画の
執筆を進めるとも発言していた。
原作の発表からは、もうすぐ100年になるものだが、実は
『グレイストーク』の映画化では、元は1875年生まれの原作
者の生誕100年を目指して計画されたものの、完成まで10年
近く掛かってしまったという経緯もあり、今回の企画がそれ
ほど遅れないことを期待したい。また、原作発表100年とい
うことでは、同年に発表された“A Princess of Mars”の映
画化を期待したいものだが…その後のパラマウントの動きは
ないようだ。
* *
『チキン・リトル』と『ナイトメア・ビフォア・クリスマ
ス』のディズニー2作品に続いて、ソニー作品の『モンスタ
ー・ハウス』も上映されるドルビー社の3D上映システム=
リアルDに、記録ドキュメンタリー映画の老舗ナショナル・
ジオグラフィックの参加が発表された。
ナショナル・ジオグラフィックの3D作品は、撮影段階か
ら一貫して70ミリフィルムを2駒ずつ使用するImaxシステム
で行われ、従来は科学博物館や美術館などに設置されたImax
劇場での上映が行われて来た。しかし、記録映像に大型スク
リーンの解像度は重要とするものの、上映場所が限定される
大型スクリーンでは観客動員が限られていた。
そこで今後は、Imaxシステムで撮影された一部の作品につ
いて、通常フィルムに変換した上で全米数100館に展開する
リアルDでの上映も並行して行われることになったものだ。
これにより、近隣の学校からのグループ鑑賞などの動員が図
られるとされている。
なお、発表されたプログラムは、2007年春に“Lions 3D:
Roar of the Kalahari”と、続いて10月に“Sea Monsters:
A Prehistoric Adventure”という2作品のリアルDでの上
映が予定されている。ナショナル・ジオグラフィックの3D
作品では、過去にもいろいろ話題作があったはずだが、今回
一部と断わり書きがある理由も判らないところで、できれば
順次それらの作品もリアルDでの公開を望みたいものだ。
また、3D推進派のジェームズ・キャメロン監督も、以前
はImaxで作品を発表していたものだが、今回のナショナル・
ジオグラフィックの動きを見れば、リアルDへの乗り換えに
も支障はなくなりそうだ。他にも、ディズニーの“Meet the
Robinsons”や、パラマウント製作の“Beowulf”など、リ
アルD採用の新作も続々予定されており、基本的には、通常
映画の上映にも支障のないとされるこのシステムは、今後ま
すますの発展が期待できそうだ。
* *
“Sin City 2”の情報は2回連続で紹介してきたが、今回
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01月01日(月)
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