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On the Production
by 井口健二
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■第122回
日本でも、実話かフィクションかを曖昧にして宣伝を行う
ことになるようだが、観客はその辺を心して見てもらいたい
ものだ。なお、会見場で配られた資料によると、原作本が、
1月に河出書房から柳下毅一郎訳で出版されることになった
ようで、これは嬉しいことだ。
* *
東京国際映画祭の話はここまでにして、以下はいつものよ
うに製作ニュースを報告しよう。
まずは、お騒がせ男トム・クルーズの再始動の情報が報告
されている。
8月に発表されたパラマウントからの突然の契約解除の際
には、宗教を巡る問題や、最近の常軌を逸した言動が問題と
されていたものだが、そのどちらも彼の演技者としての資質
が問題にされたものではない。そこで、すでに彼が出演する
3つの企画が進行しているようだ。
その1本はワーナー製作で、湾岸戦争を背景にした“The
Ha-Ha”という作品。戦場で負傷し、その影響で失語症にな
った帰還兵が、同じ戦場で行方不明となった女性兵士の9歳
の息子の面倒を見ることになるというもの。クルーズで帰還
兵というと、彼自身がオスカー候補にもなった『7月4日に
生まれて』が引き合いに出されるが、設定が失語症というの
は、舌禍騒動に見舞われている俳優には皮肉な作品とも言え
そうだ。デイヴ・キングの原作小説をチャック・リヴィット
が脚色している。
2本目はフォックス製作で、“Selling Time”と題された
作品。人生の最悪の時を修復する時間セールスマンを描く物
語ということで、ちょっとSF的な作品のようだが、ダン・
マクダーモットの脚本から、スパイク・リーが監督する。ク
ルーズと監督はすでに何度か話し合いを行っており、現在は
リーが脚本のリライト中とのことだ。
そして3本目は、“Lions for Lambs”と題されたロバー
ト・レッドフォード監督主演、メリル・ストリープ共演によ
る作品で、マシュー・カーナハン脚本によるアフガニスタン
戦争の兵士を巡る政治劇ということだ。この作品でクルーズ
は政府関係者を演じ、ストリープが問題を追求するジャーナ
リストの役とされている。情報は3本目が一番詳細なようだ
が、この作品は配給が決まっていない。
一応この3本が、クルーズの次回作として公表されている
ものだが、現状で契約などは結ばれていないものの、クルー
ズの支援者には、野球チームのオーナーやアミューズメント
パークのCEOなど財界人も動いているようで、計画が動き
出したらクルーズ自身も製作者に加わって、映画製作は支障
なく行える体制のようだ。
ただしクルーズは、今年2月の段階でも同様に3本の計画
に関っていたそうで、その3本とは、現在ラッセル・クロウ
の主演で進行中の“3:10 to Yuma”と、マシュー・マコノヒ
ーで進められている“Fool's Gold”、それに“Two Minutes
to Midnight”。この内、3本目は代役が決まっていないも
のの、いずれもクルーズは計画から降板してしまっている。
従って今回の報告も…というものではあるようだ。
一方、契約を解除したパラマウントでは、『M:I4』の
主演を、史上最高4000万ドルでブラッド・ピットにオファー
しているという情報もあるが、『M:I3』に続けて“Star
Trek”の新作を進めているJ・J・エイブラムス監督が、
同作にクルーズの出演を要望しているという話も伝わってお
り、どちらもすんなりとは決まらない状況のようだ。
* *
お次は、ワーナーとパラマウントの共同配給で、来年11月
の公開が予定されているロバート・ゼメキス監督の歴史ファ
ンタシー“Beowulf”について、全米で1000館を超える映画
館での3D上映が実現することになった。
この作品の撮影は2Dで行われたものだが、先にIMaxでの
3D化上映が成功した『ポーラー・エクスプレス』と同じく
パフォーマンス・キャプチャー方式で撮影されており、同様
の3D化が可能なものだ。ただし今回の3D化には、『ナイ
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11月01日(水)
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