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On the Production
by 井口健二
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■第121回
カーコリアンによって、逆にMGMに買収される形で併合さ
れ、今日に至ったものだ。なお、当初はMGM/UAという
ロゴマークも使われていたが、それも何時の間にかMGMの
みになってしまっていた。
 そのUAの名称に対して、MGM株を売却してソニーによ
る買収に協力したカーコリアンや、元パラマウント経営者の
フランク・マンクーソらが買い取りを申し出ているもので、
その価格は4−5億ドルが提示されているとのことだ。因に
この金額は、カーコリアンがソニーに売却したMGM株の額
に比べると少額だが、実は現在ソニー本社で問題になってい
るパソコン用充電池のリコール費用に匹敵するもので、その
辺が微妙なところだ。
 なおUAの名称に関しては、過去にはフランシス・コッポ
ラやハーヴェイ・ワインスタインらも買い取りの交渉を行っ
た経緯があり、それだけ期待される名前ではあるが、果たし
て『黄金狂時代』『真昼の決闘』『ウェスト・サイド物語』
『アニー・ホール』『レインマン』などの名門復活となるか
どうか。しかも今回の交渉は名称だけで、再映画化権等は対
象とされていない。従って、007等の本来UAが持ってい
たシリーズも、その権利はMGMに残され、あくまで名称だ
けを復活して、ここから新しい歴史を刻むことになる。旧経
営陣が設立したオライオンも、1991年の『羊たちの沈黙』を
最後にすでになく、新UAにどのような経営方針が建てられ
るかにも興味が湧くところだ。
        *         *
 続いては続報で、2004年3月1日付の第58回で紹介した元
エル誌の編集者ジャン=ドミニーク・ボウビイが、全身麻痺
の状態で、片目の瞬きだけで綴った自伝“The Diving Bell
and the Butterfly”の映画化について、9月にフランスで
撮影が開始された。
 この映画化では、前の紹介の時にはユニヴァーサルがジョ
ニー・デップ主演で計画を進めていることを報告した。しか
し、デップ本人も出演を希望して、製作者としては願っても
ない状況ではあったものの、そのスケジュールは各社の大作
に押されて来年以降まで一杯という状況。ついにその製作時
期を待てなくなった製作者が、今年の春に彼の出演を断念す
ることを発表し、デップもこれを了承していた。
 これにより、ユニヴァーサルも手を引くことになったが、
製作者は独自にフランス・パテ社の傘下で製作を進めること
とし、パテが所有するプロダクションとフランス3シネマと
いうプロダクションの共同製作、それにカナル・プラスの協
力で撮影開始に漕ぎ着けたものだ。
 なお、デップに代わる主演は『ミュンヘン』などに出てい
るマチュー・アマルリーク。共演には、『フランティック』
のエマニュエル・セニア、『あるいは裏切りという名の犬』
のアンヌ・コンシニ、さらにマックス・フォン=シドーらを
迎えての撮影開始となっている。
 監督は、前回の報告から変わらず『バスキア』のジュリア
ン・シュナベル。脚本も代ってはいないと思うが、台詞はフ
ランス語になるようだ。
        *         *
 次も良く似た状況で、今年3月1日付の第106回で紹介し
たラッセル・クロウ主演、ジェームズ・マンゴールド監督の
“3:10 to Yuma”(決断の3時10分)のリメイクについて、
10月23日からニュー・メキシコでの撮影が発表されている。
 そしてこの計画も、前回は1957年のオリジナルを製作した
コロムビアでの計画として紹介したものだが、こちらは製作
費が掛かり過ぎるとの理由で6月にキャンセルされて、その
後をライオンズゲイトが引き継ぎ、製作費5000万ドルで実現
となったものだ。
 なおコロムビアの判断では、クロウの主演で西部劇は成功
が確信できない。そのクロウの出演料が製作費のかなり部分
を占めているのが問題としていた。しかし、そのクロウは製
作者にも名を連ねているもので、監督としては彼を外す訳に
は行かなかったようだ。因にマンゴールドは、コロムビアと

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10月15日(日)
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