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On the Production
by 井口健二
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■ヘンダーソン夫人の贈り物、ハヴァナイスデー、家門の危機、出口のない海、武士の一分、敬愛なるベートーヴェン、ダンジョン&ドラゴン2
て今回はさすがにプロの作品と言いたかったところだが…さ
すがにこの短さでは、俳優の演技などには差があるものの、
ピシリと決まる作品にはなかなかならなかったようだ。
特に今回の8本では、どれも結末がうまく決まっていない。
どの作品も余韻が残るような感じの終わらせ方で、それはそ
れでも良いのだが、どれもこれも同じような終り方では、全
体の印象が弱くなってしまう。
セレクトの基準がどこにあったかは判らないが、これはセレ
クトの仕方にも問題がありそうだ。
なお、見せてもらった8本の中では、長澤監督の『birthday
girl』、矢崎仁司監督『大安吉日』、富永まい監督『風見
鶏と煙突男』、安里麻里監督『夕凪』、中野裕之監督『全速
力海岸』などは気に入ったが、それぞれ結末にはもう一工夫
欲しかった感じはしたものだ。

『家門の危機』(韓国映画)
本国では昨年公開され、同時期公開の『四月の雪』、『デュ
エリスト』を押さえて堂々の第1位、年間でも2位の興行記
録を残し、韓国ラヴコメでは歴代1位と言われる大ヒットコ
メディ作品。
女頭目に率いられた白虎組は、全羅南道を拠点にしたヤクザ
組織だが、昔ながらの任侠道に根差した組で、中央の検察が
注目するような問題も起していないようだ。しかしソウル進
出を目指して指定暴力団の斧組との軋轢も生じている。
主人公は、そのヤクザ組織の跡取り。組は今は亡き父親が興
し、現在の頭目は母親というものだ。その母親は長男が結婚
しないことを心配し、次男と三男に自分の還暦の誕生日まで
に、長男に嫁を見つけることを命令する。
一方、長男は高校時代に女番長だった亡き同級生の思い出に
囚われており、次男や三男の勧める女たちにもなかなか目が
行かない。そんな長男が、ある日、一人の女性に目を奪われ
る。それは昔の同級生の面影を持つ女性だったが…
実は、彼女はソウル地方検察庁で広域暴力団摘発を担当する
敏腕検事だった。そして2人は、ひょんな事からお互いの身
分を隠したまま付き合いを始めてしまう。
何と言ってもヤクザはヤクザだし、任侠道に根差すと言われ
ても、映画の中では平気で暴力を揮うシーンも登場する。で
もまあこの作品の物語では、ヤクザの跡取りと検察官という
図式でしか成り立ちそうもないし、お話はお話として楽しむ
ところだ。その意味では、この映画はお話の展開には無理は
ないし、なかなか面白く出来上がっている。
主演は、『銀杏の木のベッド』『アウトライブ−飛天舞−』
で見事なアクションを見せてくれたシン・ヒョンジュンと、
韓国テレビのヴァラエティ番組での人気者と言うキム・ウォ
ニ。特に、シンのアクションは迫力十分で楽しめる。
監督は、『アウトライブ』で助監督を務め、『人形霊』でデ
ビューしたチョン・ヨンギの第2作。
本国では、続編も今年6月に公開されたそうで、それも早く
見てみたいものだ。

『出口のない海』
横山秀夫原作、佐々部清監督で、第2次世界大戦の末期に投
入された人間魚雷「回天」を巡る物語。
戦争映画は好きではない。非戦の考えを持っていることもあ
るが、それがこの作品のように反戦思想に基づくものであっ
ても、戦争を描いた作品には二の足を踏んでしまう。
なおこの作品は、甲子園で活躍し、明治大学野球部でエース
ピッチャーだった主人公が、「回天」に乗るようになるまで
の軌跡を描いている。
元々の原作者の執筆の動機は、「回天」という非人間的な兵
器があったことを、歴史の中に記録したいということだった
ようだが、確かに神風特攻隊などに比べると「回天」の存在
はあまり知られていないものだ。
僕も、「回天」という自殺型兵器のあったことは知っていた
が、この映画を見て、その性能が如何に凄まじいものであっ
たかを改めて教えられた。特に、酸素混入燃料を使うことで
航跡を出さない技術。また、1.55tもの炸薬を搭載していた
というのも驚きだった。
それにしても、これだけのものを作り上げる技術力を、なぜ
もっと他の事に使えなかったのかというところだ。

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09月20日(水)
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