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On the Production
by 井口健二
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■第113回
なお、その後の情報で、パラマウントとバートン、それに
キャリーは、脚本とVFX予算の見直しを行って計画を立直
し、2007年秋ごろに中国で撮影を行いたいという方向も示し
てきており、その前にバートンが1本監督する余裕はある、
という状況になってきたようだ。
* *
お次は、前回は製作時期を未定として紹介したヴィン・デ
ィーゼルの監督主演による歴史大作“Hannibal”の計画が進
み始めているようだ。
報告によると、ディーゼルはスペイン、ポルトガル両国の
ある南ヨーロッパのイベリア半島でロケ地のスカウティング
を行っており、また、物語のキーとなる巨象を乗りこなす訓
練も始めているとのことだ。ただし、ディーゼルは何故か象
の乗り方は事前に知っていたそうだ。
一方、ディーゼルは、俳優監督の先輩メル・ギブスンの例
に倣って本作の台詞を当時の言葉にすることを希望、そのた
め『パッション』の製作にも協力した古代語の研究者を招請
して、台詞をギリシャ語とラテン語、それに古代カルタゴの
言葉ピューニックに翻訳する作業を開始しており、さらに彼
自身もラテン語の学習をしているとのことだ。
カルタゴの将軍ハンニバルが象に乗ってアルプスを越え、
ローマに攻め入ったという故事については、1960年にイタリ
アでの映画化と、1969年にオリヴァ・リード主演の『脱走山
脈』(Hannibal Brooks)がインスパイアされた作品として
知られているが、ハリウッドでちゃんと映画化された記録は
ないようだ。最近はCGIのおかげで古代世界の再現も結構
手軽になってきているようだし、ここはひとつディーゼルの
思い入れで、本格的な映画化を期待したいものだ。
ただしこれによって、前回紹介したロマンティック・コメ
ディの方は少し先になってしまいそうだ。
* *
前回、キャラクターの独立シリーズが計画されていること
を紹介したコミックスの映画化“X-Men”について、計画は
4つあることが正式に報告された。
計画が報告されたのは、まずは前回も紹介したヒュー・ジ
ャックマンが演じるウルヴァリンを主人公にした作品で、こ
の計画ではすでにデイヴィッド・ベニオフの脚本も執筆され
ているものだ。
続いては、これも前回触れたが、イアン・マッケランが演
じたマグニトーの物語がやはり進んでいたようだ。なお今回
の報告では物語については紹介されていなかったが、以前の
情報によるとマグニトーの若い時の話となっていたはずだ。
そして3本目は、映画シリーズには登場していないがコミ
ックスでは人気のテレパスで、身体をダイアモンドに変えら
れる能力を持つエマ・フロストを主人公にした作品も計画さ
れている。前回ハリー・ベリーが独立シリーズを断ったこと
を紹介した後でこの情報は、その代わりという感じもしない
でもないが、Webに紹介されているイラストを見ると、かな
りCGI向きという感じのキャラクターで、その映画化にど
んな女優がキャスティングされるかも話題を呼びそうだ。
さらに4本目として、プロフェッサーXが率いるミュータ
ント・スクールの子供たちの話も作られるということだ。こ
の作品は“Harry Potter”路線という感じで、他の3本より
はちょっとお子様を狙ったものになりそうだが、作るとなる
とパトリック・スチュアートの出演は欠かせない感じで、そ
の辺の調整はちゃんと行われるのだろうか。
なお、前回も紹介したように、ハリー・ベリーは“X-Men
4”なら出ると発言しているものだが、それにはウルヴァリ
ンの登場は望めない。しかし、折角ベリーほどの女優が出る
と言ってる作品を切るのも忍びないところだ。大人の超能力
者のチームものでは、すでに“Fantastic Four”をスタート
させているフォックスが、これをどう決断するかも注目され
る。
因に、“Fantastic Four”の続編については、新たにシル
ヴァー・サーファー登場の線で計画が進んでいるようだ。
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06月15日(木)
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